日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG29] 中緯度大気海洋相互作用

2021年6月4日(金) 09:00 〜 10:30 Ch.10 (Zoom会場10)

コンビーナ:遠山 勝也(気象庁気象研究所)、釜江 陽一(筑波大学生命環境系)、木戸 晶一郎(海洋開発研究機構 付加価値創生部門 アプリケーションラボ)、関澤 偲温(東京大学先端科学技術研究センター)、座長:釜江 陽一(筑波大学生命環境系)、関澤 偲温(東京大学先端科学技術研究センター)

10:00 〜 10:15

[ACG29-05] 日本海における海面水温の昇温トレンド空間分布について

*松浦 浩巳1、木田 新一郎2、上原 克人2 (1.九州大学総合理工学府大気海洋環境システム学専攻、2.九州大学応用力学研究所)


キーワード:日本海、トレンド、空間分布、亜寒帯前線

1982から2018年にかけて日本海全体の海面水温(SST)は0.26℃/decadeの上昇トレンドが観測されている。またこのSSTトレンドの空間分布は空間一様では起きておらず、北緯40°N付近の韓国沿岸から津軽海峡にかけて大きな昇温トレンドが観測されている一方で、対馬海峡付近には大きな昇温トレンドが存在していない。大気の温暖化および対馬暖流の流量増加という日本海への熱量増加を考慮した単純な熱量増加だけではこの空間分布を説明できない。
北緯40°N帯における水温分布の特徴的な変化の要因として亜寒帯前線が挙げられる。1985年から2003年までの、亜寒帯前線の位置変化をAVHRR月平均SSTデータより求めたところ、韓国沿岸では大きく変化しなかったが、津軽海峡付近である東経136°E~138°Eにおいて18年間で北側へ1°移動していた。発表ではこの亜寒帯前線の動きについて詳細な時系列変化を示すとともに、近年の対馬暖流の流量増加と亜寒帯前線の関係について議論する。