16:00 〜 16:15
[HCG25-03] ライフサイクル思考を取り入れた環境学習支援システム
キーワード:環境学習、ライフサイクルアセスメント、ライフサイクル思考、環境教育、持続可能な開発目標、Eラーニングシステム
1. 研究の背景と目的
環境教育の現場において,学習プログラムにライフサイクル的思考を取り入れる試みが行われるようになった.本研究は,環境学習を支援するために,ライフサイクル思考に基づいた環境学習e-ラーニングシステムを構築することを目的とする.関連分野の代表的な先行研究として,中島ら,天野ら,平山らの研究があげられる.これらの先行研究と比較して,本研究の独自性は,Web上でライフサイクル思考に基づいた環境学習を行うことができるe-ラーニングシステムを構築すること,動作環境をWindows以外のOSにも拡張し,様々な情報端末から利用できるシステムを構築すること,環境学習の題材を誰しもにとって身近に感じる「飲料水」とすることで,システムの利用者として幅広い年代を対象とすることである.
2. システムの設計
本システムは,テキストベースの学習教材,学習教材の内容を復習する小テスト,CO2排出量のシミュレーションの3部から構成されるe-ラーニングシステムである.本システムでは,利用者の環境学習支援を行うことに加えて,利用者が地球環境問題,ライフサイクルアセスメント(LCA),ライフサイクル概念について学習することにより,ライフサイクル思考能力を向上させ,環境配慮行動の意識を高めることを目指す.
3. システムの構築
本システムには,(1) 学習教材の閲覧機能,(2) 小テスト機能,(3) CO2排出量のシミュレーション機能の3つの利用者向けの独自機能を実装する.本システムでは,PCに加えてスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末からのアクセスも想定している.情報端末によってインタフェースは異なるが,同一の機能を利用することが可能である.
4. システムの運用
本システムを1か月間(2020年1月)運用したところ,本システムの総セッション数は97であり,アクセス手段として利用した情報端末は,PC38%,スマートフォン58%,タブレット端末4%であった.このことから,本システムの設計として,アクセス手段として利用した情報端末の種類によらず,同一の機能の利用が可能であること,ディスプレイのサイズの相違を考慮して,PC向け携帯情報端末向けの2種類のインタフェースを用意したことが有効であったといえる.
ページ別の訪問数では,学習教材の閲覧機能の2ページ目以降は,小テスト機能,CO2排出量のシミュレーション機能のページに比べて訪問数が少なかった.これは,システム利用前からLCAについての知識を持つ利用者が2ページ目以降にアクセスしなかったこと,学習教材の内容を全て閲覧せずに演習に進んだ利用者がいたことが原因であると考えられる.
5. システムの評価
本システムの利用者58名を対象としてアンケート調査を行い,この結果に基づいて本システムを評価した.小テスト機能,CO2排出量のシミュレーション機能は環境学習の効率化につながること,e-ラーニングシステムの構成が効果的であり,利用者の環境学習に役立つことが示された.
本システム利用前後における利用者の環境配慮に関する意識変化について,行動意図,有効感,責任感,負担感,実行可能感,危機感,つながり感の7項目から確認した.行動意図,危機感,つながり感の3項目で意識が大きく好転したが,有効感,責任感,実行可能感の3項目では意識が少し好転し,負担感では意識変化があまり見られなかった.
環境教育の現場において,学習プログラムにライフサイクル的思考を取り入れる試みが行われるようになった.本研究は,環境学習を支援するために,ライフサイクル思考に基づいた環境学習e-ラーニングシステムを構築することを目的とする.関連分野の代表的な先行研究として,中島ら,天野ら,平山らの研究があげられる.これらの先行研究と比較して,本研究の独自性は,Web上でライフサイクル思考に基づいた環境学習を行うことができるe-ラーニングシステムを構築すること,動作環境をWindows以外のOSにも拡張し,様々な情報端末から利用できるシステムを構築すること,環境学習の題材を誰しもにとって身近に感じる「飲料水」とすることで,システムの利用者として幅広い年代を対象とすることである.
2. システムの設計
本システムは,テキストベースの学習教材,学習教材の内容を復習する小テスト,CO2排出量のシミュレーションの3部から構成されるe-ラーニングシステムである.本システムでは,利用者の環境学習支援を行うことに加えて,利用者が地球環境問題,ライフサイクルアセスメント(LCA),ライフサイクル概念について学習することにより,ライフサイクル思考能力を向上させ,環境配慮行動の意識を高めることを目指す.
3. システムの構築
本システムには,(1) 学習教材の閲覧機能,(2) 小テスト機能,(3) CO2排出量のシミュレーション機能の3つの利用者向けの独自機能を実装する.本システムでは,PCに加えてスマートフォンやタブレットといった携帯情報端末からのアクセスも想定している.情報端末によってインタフェースは異なるが,同一の機能を利用することが可能である.
4. システムの運用
本システムを1か月間(2020年1月)運用したところ,本システムの総セッション数は97であり,アクセス手段として利用した情報端末は,PC38%,スマートフォン58%,タブレット端末4%であった.このことから,本システムの設計として,アクセス手段として利用した情報端末の種類によらず,同一の機能の利用が可能であること,ディスプレイのサイズの相違を考慮して,PC向け携帯情報端末向けの2種類のインタフェースを用意したことが有効であったといえる.
ページ別の訪問数では,学習教材の閲覧機能の2ページ目以降は,小テスト機能,CO2排出量のシミュレーション機能のページに比べて訪問数が少なかった.これは,システム利用前からLCAについての知識を持つ利用者が2ページ目以降にアクセスしなかったこと,学習教材の内容を全て閲覧せずに演習に進んだ利用者がいたことが原因であると考えられる.
5. システムの評価
本システムの利用者58名を対象としてアンケート調査を行い,この結果に基づいて本システムを評価した.小テスト機能,CO2排出量のシミュレーション機能は環境学習の効率化につながること,e-ラーニングシステムの構成が効果的であり,利用者の環境学習に役立つことが示された.
本システム利用前後における利用者の環境配慮に関する意識変化について,行動意図,有効感,責任感,負担感,実行可能感,危機感,つながり感の7項目から確認した.行動意図,危機感,つながり感の3項目で意識が大きく好転したが,有効感,責任感,実行可能感の3項目では意識が少し好転し,負担感では意識変化があまり見られなかった.