日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG26] 気候変動への適応とその社会実装

2021年6月6日(日) 10:45 〜 12:15 Ch.15 (Zoom会場15)

コンビーナ:山野 博哉(国立環境研究所)、石川 洋一(海洋研究開発機構)、大楽 浩司(筑波大学)、田村 誠(茨城大学地球・地域環境共創機構)、座長:山野 博哉(国立環境研究所)、石川 洋一(海洋研究開発機構)、大楽 浩司(筑波大学)、田村 誠(茨城大学地球・地域環境共創機構)

11:00 〜 11:15

[HCG26-02] 影響評価・適応策研究のための気候シナリオ選択手法の開発

*塩竈 秀夫1、石崎 紀子1、花崎 直太1、高橋 潔1、江守 正多1、伊東 瑠衣2,3、仲江川 敏之3、高薮 出3、肱岡 靖明1、高薮 縁4、澁谷 亮輔4 (1.国立環境研究所、2.気象業務支援センター、3.気象庁気象研究所、4.東京大学大気海洋研究所)

キーワード:気候変動、適応、気候シナリオ

気候変動予測の不確実性は、世界に数十ある気候モデルによる予測(アンサンブル)のばらつきで評価される。しかし一般的に、気候変動の影響評価研究で、全ての気候モデルの予測を利用することは研究資源の観点から難しいため、少数の気候モデルの予測を選んで使うことが多い。本研究では、アンサンブルの幅を良くとらえる少数のモデルサブセットを選択する手法を開発した。この手法を適応して、日本における影響評価・適応策研究のために、第6期結合モデル相互比較プロジェクト (CMIP6)のモデルアンサンブルから5モデルを選択した。まず、気温変化予測の不確実性制約に関する近年の研究を参考にして、将来の温暖化を過大評価していると考えられている複数のモデルを省いた(残ったサブアンサンブルをCMIP6*と呼ぶ)。次に影響評価研究でよく使われる8変数に関して、CMIP6*のばらつきを良くカバーし、かつ現在気候のバイアスの少ない5モデルを選択した。これまで日本の影響評価研究では、気温変化と降水量変化のばらつきから選ばれたCMIP5の4モデルが使用されてきたが、本研究によって影響評価・適応研究にとってよりよいサブセットを選ぶことができた。