日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-AG 応用地球科学

[M-AG37] CTBT IMS Technologies for Detecting Nuclear Explosion and Their Applications to Earth Science

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.21

コンビーナ:Nurcan Meral Ozel(Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty Organization)、松本 浩幸(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、Dirk Metz(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)、直井 洋介(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)

17:15 〜 18:30

[MAG37-P01] 日本国内におけるCTBT補助地震観測所の改修について

*江村 亮平1、本橋 昌志1、乙津 孝之1、坂本 豊実1、野上 麻美1、岩田 総司1 (1.一般財団法人 日本気象協会)

キーワード:CTBT、International Monitoring System、National Data Centre、Seismology

一般財団法人日本気象協会では、包括的核実験禁止条約(CTBT)の国内データセンター(NDC-1)を暫定運用している。NDC-1では、2つの役割を担っている。1つは地震波およびインフラサウンドに係る波形解析を行い、技術的な観点からアドバイスを行うことである。もう1つは、日本国内にある国際監視システム(IMS)の運用管理者(SO)である。日本国内には、1つの主要地震観測所(PS)、5つの補助地震観測所(AS)、1つのインフラサウンド観測所(IS)があるが、NDC-1ではこれら7つの観測所の運用および維持管理を行っている。
 従来ASでは、気象庁所有の広帯域地震計の信号を分岐して、IMSのデータとして運用していたが、過去に複数回にわたって行われた技術的な調査によって、CTBT側機器からでは、地震計のキャリブレーション(校正作業)の実施に際していくつか問題があることが判明した。一方、IMSの地震観測システム運用マニュアルでは、一年に一度、地震計のキャリブレーションを行うことが明記されており、これを効率的に履行するためには、気象庁の地震計とは別に、CTBT用地震計を設置することが必要と判断された。そこで、工事準備期間を含めてここ2年ほどかけて、5つのAS全てについて、既往の観測点近傍にCTBT用の地震計(Guralp社製CMG-3T)が設置された。
 地震計設置の前段階の工事として、各観測点の事情に合わせて設計された50cm×50cmの地震計台が設けられた。地震計の設置では、地震計台の上に置かれて、方位および水平がとられた後に、磁気を防ぐ金属製のカバーが装着され、その上に温度変化を防ぐ目的で、断熱材が巻かれている。設置後には、NDC-1により、現地でキャリブレーションが実施された。その後は、CTBTO側でのテスト期間を経た後に、運用に戻された。
 この改修作業によって、新たにCTBT用地震計が設置され、年次キャリブレーションやその他各種のデータ品質の維持・向上に係る作業が、NDC-1によりリモートで実施可能となった。本発表では、この改修作業の詳細について、紹介する。