日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI31] Open and FAIR Science: Data Sharing, e-Infrastructure, Data Citation and Reproducibility

2021年6月3日(木) 15:30 〜 17:00 Ch.03 (Zoom会場03)

コンビーナ:Cecconi Baptiste(LESIA, Observatoire de Paris, CNRS, PSL Research University)、村山 泰啓(国立研究開発法人情報通信研究機構 戦略的プログラムオフィス)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)、Shelley Stall(American Geophysical Union)、座長:Shelley Stall(American Geophysical Union)、村山 泰啓(情報通信研究機構 NICTナレッジハブ)

15:30 〜 15:45

[MGI31-07] 地球および宇宙科学における研究データマネージメントのためのルーブリック

*家森 俊彦1、スミス ジャニス2,1、梶田 将司1、能勢 正仁3 (1.京都大学、2.カルタプロジェクト、3.名古屋大学)

キーワード:研究データマネージメント、ルーブリック、地球・宇宙科学

日本の大学では学生や若手研究者が研究データマネージメント(Research Data Management, RDM)の方法を習得するための体系的な教育はほとんど行われておらず、試行錯誤、あるいは所属研究室や指導教員のやり方を見て、自分で学んでいるのが大多数であると思われる。 RDMの方法を習得する上で、これらのやり方はあまり効果的とは考えられず、適切に取得・管理された研究データが研究の質と効率を向上させるという観点からは、このような現状を改善する必要がある。また、多くの学術誌は既に査読プロセスの一部として論文で使用したデータへのオープンアクセスを要求しており、読者にとっても論文の根拠となるデータを確認したい場合がある。しかし、適切なRDMの方法・技術がないと、公開のためのデータリポジトリにアップロードするための必要条件を満たすデータセットを準備することが困難となる。 そこで、私たちはRDM教育を促進するために、地球・宇宙科学の分野から始めて、各分野に適した一連のルーブリック群を開発しつつある。これらのルーブリックにより、学生や研究者は段階的なアプローチを通じてRDMの知識と技術を向上させることができると期待される。当発表で紹介する地球・宇宙科学分野の学生・研究者を念頭に置いたルーブリックの初期バージョンでは、RDMを、「データマネージメント計画」、「データの取得・処理と整理」、「データ解析」、「データの共有と公開」の4つの過程に分けている。各過程には、6つまたは7つの項目があり、それぞれで、1つ以上の観点から、できる限り客観的に判定可能な4つのレベルが用意されている。これらのルーブリックは、単独で使用してもよいし、あるいはeポートフォリオ内に格納し、学生や研究者がRDMの知識と技能を個別に、あるいは同僚と協力してその取り組みを文書化し、研究の折々にルーブリックの判定基準を使用して自己評価し、進捗状況を他の人と共有することもできる。