日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-GI 地球科学一般・情報地球科学

[M-GI34] 情報地球惑星科学と大量データ処理情報

2021年6月3日(木) 09:00 〜 10:30 Ch.03 (Zoom会場03)

コンビーナ:村田 健史(情報通信研究機構)、野々垣 進(国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター)、本田 理恵(高知大学自然科学系理工学部門)、深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、座長:深沢 圭一郎(京都大学学術情報メディアセンター)、村田 健史(情報通信研究機構)

09:45 〜 10:00

[MGI34-04] Webブラウザベースのスケーラブルディスプレイシステムを用いた3次元地理情報の超大規模可視化手法の紹介

川鍋 友宏1、小野 謙二2、*村田 健史3、樋口 篤志4 (1.理化学研究所、2.九州大学、3.情報通信研究機構、4.千葉大学)

近年、Webブラウザの描画・表現能力の進化は目覚ましく、多くのデスクトップアプリケーションを代替可能となった。これはHTML5やJavaScriptといったWebテクノロジーの進歩に寄るところが大きい。とくに3Dグラフィックスにおいては、WebGLの登場により、ネイティブアプリ同様の性能を引き出せるようになった。理化学研究所と九州大学が共同で研究開発を進めるオープンソースソフトウェア ChOWDER [1] は、複数のディスプレイ(全画面表示のWebブラウザ)をタイル状に並べることで、一台のPCでは実現不可能な超高画素表示環境を構築するWebベースのスケーラブルディスプレイシステムである。本システムの先進的かつ実用的な機能として、3D Web GISアプリケーションを複数の表示デバイスに分散レンダリングする機能を昨年発表した。[2] これは、WebGLベースのオープンソースGISであるiTowns [3] をベースに、ChOWDERの分散ディスプレイ上に超高解像度な3次元地理情報を表示するものである。 iTownsが備えるユーザ定義データ(ポリゴン、点群など)の重畳表示機能もそのまま利用可能である。図1は4K解像度ディスプレイ15枚(総解像度:19200x6430ピクセル)のChOWDERディスプレイ上において、気象衛星ひまわりの雲観測データを3次元点群化したものと国土地理院地図データを重畳表示したものであり、視点変更などの操作を手元のPCでインタラクティブに行える。本発表では本機能を構成する基盤技術の概説と、可視化事例について紹介する。



[1] https://github.com/SIPupstreamDesign/ChOWDER

[2] Kawanabe, T., Hatta, K., & Ono, K. (2020, September). ChOWDER: A New Approach for Viewing 3D Web GIS on Ultra-High-Resolution Scalable Display. In 2020 IEEE International Conference on Cluster Computing (CLUSTER) (pp. 412-413). IEEE.

[3] http://www.itowns-project.org/