日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS28] 遠洋域の進化

2021年6月5日(土) 13:45 〜 15:15 Ch.26 (Zoom会場26)

コンビーナ:松岡 篤(新潟大学理学部)、栗原 敏之(新潟大学大学院自然科学研究科)、黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)、XIN LI(State Key Laboratory of Palaeobiology and Stratigraphy, Nanjing Institute of Geology and Palaeontology, Chinese Academy of Sciences)、座長:松岡 篤(新潟大学理学部)、黒田 潤一郎(東京大学大気海洋研究所 海洋底科学部門)

13:45 〜 14:00

[MIS28-01] 太平洋―アジア地域における遠洋域,浅海域,陸域のジュラ・白亜系境界の広域対比に向けて

*松岡 篤1 (1.新潟大学理学部)

キーワード:ジュラ・白亜系境界、国際白亜系層序小委員会、ベリアシアン作業部会、国際境界模式層断面とポイント、深海掘削、放散虫

ジュラ・白亜系境界(JKB)の国際境界模式層断面とポイント (Global Boundary Stratotype Section and Point: GSSP)の策定は,顕生累代で唯一GSSPが未決定の系境界であるため,緊急の課題となっている.国際白亜系層序小委員会(ISCS)のベリアシアン作業部会は,Calpionella alpina 亜帯の下限を主要マーカーと定め,GSSP候補として南フランスのTre Marouaセクションを2019年に提案した.しかしながら,ISCSのvoting memberによる票決の結果,この提案は支持されなかった.こうした状況を受けて,2020年12月に新たにベリアシアン作業部会が組織されることとなった.新しい作業部会の委員長は,ポーランド地質研究所のJacek Grabowskiである.この新たな作業部会の設立にともなって,講演者は20人からなる作業部会の構成員となった.講演者には,放散虫層序をまとめることと太平洋―アジア地域における遠洋域のデータを提供することが期待されている.新たなベリアシアン作業部会の使命は,JKBを定義する主要マーカーを定めることとベリアシアンのGSSPを提案することにある.遠洋域の連続した堆積層には,生層序,化学層序,地磁気層序などの層序対比について高い潜在能力がある.本講演では,太平洋―アジア地域の遠洋域,浅海域,陸域におけるJKB付近の広域層序対比を含む進行中のベリアシアン作業部会の活動について紹介する.さらに,西太平洋における深海掘削計画についても触れる.