日本地球惑星科学連合2021年大会

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[J] ポスター発表

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[O-02] 自然災害と人 ~ジオパークで地球の声に耳を澄ます~

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.02

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、郡山 鈴夏(糸魚川市役所)、横山 光(北翔大学)

17:15 〜 18:30

[O02-P20] ゆざわジオパークの保全に関する研究:観光に悪影響を与える衛生害虫や特定外来生物の分布ないし発生消長と,それらに基づく予防防除策の検討について

*髙柳 春希1 (1.湯沢市ジオパーク推進協議会)

キーワード:吸血アブ、保全、外来種

 秋田県湯沢市全域を範囲とするゆざわジオパークでは持続的な観光を行っていくための衛生害虫の管理や,里山景観を脅かす特定外来生物の適切な管理を目指している.こうした管理を行っていく上での第一歩として,それら生物の分布や発生消長を捉えることが重要と言えるが,不明瞭な部分が多いという課題を抱えている.そこで本研究では,観光地に出現する吸血アブ類のツナギアブ属 (Hirosia spp.) ,鮮黄の舌状花で里山景観に悪影響を与えるとされるオオハンゴンソウ (Rudbeckia laciniata) に焦点をあて,分布や発生消長に関する調査を行った.
 ツナギアブ属の分布や発生消長をドライアイストラップにより調べた結果,ツナギアブ属は8月上旬にもっとも多くなること,同属近縁種のイヨシロオビアブ (Hirosia iyoensis) とキンイロアブ (Hirosia sapporoensis) の分布が排他的で片方種のトラップ捕獲数が多いところほど分布の排他性が顕著になる可能性が高いと示唆された.また,オオハンゴンソウを対象とした目視による分布調査から,オオハンゴンソウは果樹園,鉱山跡地,サイロ周辺に高密度に生息し,その付近に河川がある場合には下流域の岸辺に点在して分布することも明らかとなった.これら結果が得られた理由や予防防除策について議論する.