17:15 〜 18:30
[PPS06-P04] 地球周回衛星による極端紫外光の観測データを用いた彗星の大気生成率の比較
キーワード:彗星、C/2013 US10 (Catalina)、希薄大気、ひさき衛星、紫外線分光観測
彗星は、軌道離心率が大きく太陽から遠く離れた位置にある時間が長いため、宇宙風化の影響を受けにくい。従って、彗星の多くは太陽系形成当初の物質分布や温度環境の情報を保持していると考えられている。特に、各種分子種の彗星核からの放出率や大気(コマ)の空間分布の違いは、彗星核の化学組成比や組成分布を反映している。そのため、光学望遠鏡によるコマの遠隔観測は、彗星核の形成環境や熱史を推定する上で非常に重要である。
本研究では、まず地球周回衛星「ひさき」で得られたC/2013 US10 (Catalina) をはじめとする6個の彗星の極端紫外分光観測データから、H原子やCO分子等の鉛直分布を求めた。続いて、コマ中の分子・原子の空間分布を表現するために、太陽紫外線による光解離を考慮した1次元のコマの力学モデルを構築し、観測結果との比較を通して、CO分子や、H原子の主な親分子であるH2O分子の核からの生成率を推定し、その時間変動性を調べた。
特に、非周期彗星であるC/2013 US10 (Catalina) ではH2O分子やCO分子の生成率が高く、核表面における活動的な領域の面積が大きい可能性を示唆する結果となった。
本発表では、極端紫外分光観測によって得られた彗星のコマの分子生成率の比較を通して、今回観測した各彗星の形成環境や核表面の環境について議論する。
本研究では、まず地球周回衛星「ひさき」で得られたC/2013 US10 (Catalina) をはじめとする6個の彗星の極端紫外分光観測データから、H原子やCO分子等の鉛直分布を求めた。続いて、コマ中の分子・原子の空間分布を表現するために、太陽紫外線による光解離を考慮した1次元のコマの力学モデルを構築し、観測結果との比較を通して、CO分子や、H原子の主な親分子であるH2O分子の核からの生成率を推定し、その時間変動性を調べた。
特に、非周期彗星であるC/2013 US10 (Catalina) ではH2O分子やCO分子の生成率が高く、核表面における活動的な領域の面積が大きい可能性を示唆する結果となった。
本発表では、極端紫外分光観測によって得られた彗星のコマの分子生成率の比較を通して、今回観測した各彗星の形成環境や核表面の環境について議論する。