日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GC 固体地球化学

[S-GC33] 固体地球化学・惑星化学

2021年6月5日(土) 17:15 〜 18:30 Ch.17

コンビーナ:下田 玄(産業技術総合研究所地質調査総合センター)、鈴木 勝彦(国立研究開発法人海洋研究開発機構・海底資源センター)、山下 勝行(岡山大学大学院自然科学研究科)、石川 晃(東京工業大学理学院地球惑星科学系)

17:15 〜 18:30

[SGC33-P03] 全自動粒子画像解析と計算シミュレーションを用いた土壌粒子の形態分析における評価粒子数の妥当性に関する調査

*笹倉 大督1 (1.スペクトリス株式会社 マルバーン事業部)

キーワード:粒子径、粒子形状、画像解析

[緒言]
粒子径や形状を含む、粒子の形態は、地盤力学的な側面における種々のバルク特性に影響を与えることがよく知られている。このことから、一般的な粒子形態分析には、手動の顕微鏡技術を使用した画像分析(IA)が用いられている。しかしながら、従来のIAにおける主な課題の1つは、統計的に有意な数の粒子を測定することがほぼ不可能であることである。
これは、通常、自然界における現実的な粒子形態の分布が幅広いことに起因している。実際、ISOおよびJISのステートメントは、数万以上の粒子を測定することを提案している。さらに、偏差の問題を懸念する必要性として、粒子径分布の典型的なモデルが対数正規分布に従う必要があることからも支持されている。
この課題を解決するため、近年、コンピュータ技術の最近の進歩に伴ったデジタル画像技術を使用する新しい自動粒子画像分析(APIA)が可能になった。この技術は、個々の粒子の2値化(2D)粒子投影画像を少なくとも数時間以内に1万を超える粒子に取得することが可能である。従って、これらのアプローチは、頻度曲線や積算曲線など、様々な分布をグラフによる比較を使用するなどして、種々の形態学的パラメータを計算することが可能である。しかし、本手法における取得試料の分布を決定する為に必要十分な粒子数に関する検討は限定的である。本研究は、統計的モデリングとシミュレーションを使用して、APIAを用いた土壌粒子分析における妥当な取得個数と分布の関係について検証を行ったので報告する。

[試料および手法]
モデルサンプルとして東北珪砂と粉砕した珪砂を使用した。 APIA分析は、全自動画像分析装置Morphologi G3SE(Malvern Instruments、Worcestershire、UK)で実施した。続いて、パルス圧縮空気を使用して、サンプルをSDUで専用のガラス板上に分散させた。測定値は、標準操作手順(SOP)を使用して自動的に収集された。
コンピュータシミュレーションは、Scilabにより適切な数値モデルを計算するための独自のプログラミングを作成した。さらにはMS Excelを補助的に使用した。粒径分布に関しては、10,000個以上の粒子画像から得らえた分布と平均分析によって計算して実験値とした。次いで、個数ステップアップを伴いながら対数正規分布に従う乱数を発生させたシミュレーション結果と実験値を比較した。形状については、統計数アプローチとしてだけでなく、フィッティングアプローチを実施した。