日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD01] 測地学・GGOS

2021年6月4日(金) 15:30 〜 17:00 Ch.22 (Zoom会場22)

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、大坪 俊通(一橋大学)、座長:中村 優斗(海上保安庁海洋情報部)、瀧口 博士(宇宙航空研究開発機構)

16:45 〜 17:00

[SGD01-24] 次世代超高感度マイクロ波放射計用広帯域受信機の開発 -常温16-58GHz帯域受信系の性能評価-

*市川 隆一1、氏原 秀樹1、佐藤 晋介1、太田 雄策2、宮原 伐折羅3、宗包 浩志3、長崎 岳人4、田島 治5、荒木 健太郎6、田尻 拓也6、瀧口 博士7、松島 健8、松島 喜雄9、桃谷 辰也10、宇都宮 健志10 (1.情報通信研究機構、2.東北大学、3.国土地理院、4.理化学研究所、5.京都大学、6.気象研究所、7.宇宙航空研究開発機構、8.九州大学、9.産業技術総合研究所、10.日本気象協会)

キーワード:水蒸気、マイクロ波放射計、広帯域受信系

これまでに、我々は次世代の超高感度マイクロ波放射計の開発を進めてきた。この放射計は、水蒸気、液水、そして酸素の吸収帯域(20-60 GHz)をすべて一度に受信可能な冷却広帯域受信系を搭載することで、GNSSやVLBI等のマイクロ波を用いた宇宙測地技術における湿潤遅延量遅延誤差の軽減、数10分程度で急激に発達する線状降水帯発生の事前予測、あるいは火山地域における熱エネルギー放出監視といった用途を想定する。2019年度までの開発では、主に水蒸気をターゲットとする低周波数部(16-33GHz)の常温受信系の開発を終え、情報通信研究機構(NICT)沖縄電磁波技術センターに設置された3.7m口径パラボラアンテナを用いた試験観測により、その受信系による水蒸気観測の有効性を確かめたところである。2020年度においては、さらなる実証実験を予定していたが、COVID-19感染症による移動制限の影響が深刻であり、思うような実験がほとんど出来なかった。一方で、大気からの信号を最初に受けるフィードとその後段の偏波分離器(OMT)、及び雲水と酸素をターゲットとする高周波数部(26-58GHz)の常温受信系の開発を少しずつ進めており、つい最近常温での受信系の全体像が見えてきたところである。本発表では、この受信系の初期試験結果と2021年度以降の開発内容、国土地理院GNSS観測網GEONETあるいは廉価版GNSS受信機との並行観測等、今後の研究計画について報告する。