日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD01] 測地学・GGOS

2021年6月4日(金) 17:15 〜 18:30 Ch.13

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、大坪 俊通(一橋大学)

17:15 〜 18:30

[SGD01-P03] 長期試験観測によるセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)の精度評価

*古屋 智秋1、菅原 準1、齋田 宏明1、和田 弘人1 (1.国土地理院)

キーワード:準天頂衛星システム、センチメータ級測位補強サービス

平成30年11月、我が国の衛星測位システムである「準天頂衛星システム(QZSS)」のサービスが正式に開始された。そのサービスのうちセンチメータ級測位補強サービス(CLAS)は、衛星から発信される補正情報を活用することにより、ほぼ日本全国を対象として数cm程度の精度で位置情報を取得することが可能であるとされている。国土地理院では、官民研究開発投資拡大プログラム(Public/Private R&D Investment Strategic Expansion PrograM:PRISM)の一環として、その予算を活用し、現地試験観測や電子基準点の観測データを用いてCLASの仕様や精度を確認するとともに、測位解の正確性や信頼性を向上させるための手法の検討を進めている。

令和2年度は、複数のCLAS対応の受信機(AQLOC-VCX、Chronosphere-L6、MJ-3008-GM4-QZS)を用い、全国3地区(北海道、東京、沖縄)においてCLASによるリアルタイム測位を3ヶ月実施し、それらの測位解の初期化時間や、30秒間の平均値をセッション解とし、そのセッション解の国家座標との整合性等を評価した。

得られた結果から次のことがわかった:ほぼ全ての測位解がCLASの仕様精度(95%信頼区間:水平6cm、鉛直12cm)を満たした一方で、測位解のばらつきが極端に大きくなる時間帯やミスFIX解となる時間帯もみられた。また、沖縄地区は他の地区と比較して測位解のばらつきが大きく、セッション解はどの地区であっても上下方向に国家座標との較差がみられた。