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[SSS11-P18] 強震動予測レシピに基づく2016年熊本地震(Mj7.3)の強震動シミュレーション
キーワード:2016年熊本地震、強震動、地震動シミュレーション、活断層
2016年4月16日の熊本地震(MJMA7.3)の発生によって,活断層を対象とした震源を特定した強震動予測手法において,断層長さや深さ,地震モーメントなどについて,特に震源近傍の強震動や変位分布の予測性能についての課題が明らかになった.
本研究では,活断層の地震の強震動予測の高度化のため,事前に把握しておくべき情報や考慮すべき不確定性を示すことを目的として,布田川断層帯の強震動予測において2016年熊本地震(MJMA7.3)の地震動の特徴をどの程度説明することができるのか,また異なる考え方に基づくモデルでどの程度予測結果が変わるのかを検討した.地震モーメントが概ね同等と考えられるモデルで比較する方針で,アスペリティや破壊開始点の配置も可能な範囲で揃えた上で,3次元差分法と統計的グリーン関数法のハイブリッド法による地震動計算を行った.
布田川断層で発生する地震の震源断層長さを34kmと事前に予測できたと仮定したときに,①従来のレシピ(ア)の方法で震源モデルを設定するモデル,②断層サイズを変えずに地震モーメントをレシピによる算出方法による設定よりも大きくするモデル,③地震モーメントの算出方法を変えずに断層長さを大きくするモデル,の3通りのモデルを考え,それぞれについて断層上端深さを地震発生層以深と地表付近に置いた両パターンを検討した.
短周期を含めた広帯域地震動について,観測記録と比較し,地震モーメントや断層長さの不確定性を考慮した②③に地表付近まで達する断層浅部領域を付加することにより,断層近傍の長周期地震動や,計算領域全体の広帯域地震動の観測記録の再現性が向上することを示した.ただし,本検討では個々の観測記録に対して地震動の再現性が最適となるように震源モデルの調整を行っているものではない為,局所的な再現性をもって現時点で各モデルの優劣を判断することはでいないと考えている.
今後は,断層モデルの位置形状の高精度化,および,震源パラメータ間のスケーリング則から逸脱する場合を考慮した震源モデル化手法の検討を進める必要がある.
本研究では,活断層の地震の強震動予測の高度化のため,事前に把握しておくべき情報や考慮すべき不確定性を示すことを目的として,布田川断層帯の強震動予測において2016年熊本地震(MJMA7.3)の地震動の特徴をどの程度説明することができるのか,また異なる考え方に基づくモデルでどの程度予測結果が変わるのかを検討した.地震モーメントが概ね同等と考えられるモデルで比較する方針で,アスペリティや破壊開始点の配置も可能な範囲で揃えた上で,3次元差分法と統計的グリーン関数法のハイブリッド法による地震動計算を行った.
布田川断層で発生する地震の震源断層長さを34kmと事前に予測できたと仮定したときに,①従来のレシピ(ア)の方法で震源モデルを設定するモデル,②断層サイズを変えずに地震モーメントをレシピによる算出方法による設定よりも大きくするモデル,③地震モーメントの算出方法を変えずに断層長さを大きくするモデル,の3通りのモデルを考え,それぞれについて断層上端深さを地震発生層以深と地表付近に置いた両パターンを検討した.
短周期を含めた広帯域地震動について,観測記録と比較し,地震モーメントや断層長さの不確定性を考慮した②③に地表付近まで達する断層浅部領域を付加することにより,断層近傍の長周期地震動や,計算領域全体の広帯域地震動の観測記録の再現性が向上することを示した.ただし,本検討では個々の観測記録に対して地震動の再現性が最適となるように震源モデルの調整を行っているものではない為,局所的な再現性をもって現時点で各モデルの優劣を判断することはでいないと考えている.
今後は,断層モデルの位置形状の高精度化,および,震源パラメータ間のスケーリング則から逸脱する場合を考慮した震源モデル化手法の検討を進める必要がある.