出展者情報
(公社)東京地学協会
東京地学協会とは?
2012年に公益社団法人となった東京地学協会は、会員数約700名 (2022年現在) の、地学の専門家 (研究者,教員,技術者) や愛好家などからなる学術団体です。1879 (明治12) 年に創立された、日本で最も古い地学分野の学会でもあります。会員の専門分野は地質学・鉱物学 約60%、地理学 約30%、そして地球物理学、地球化学などが 約10%と、幅広い分野の地学の発展と普及・振興に寄与することを目指しています。
創立以来、地学を通した国際交流や国内外の調査探検と、それらへの助成、地学功労者の表彰などの様々な事業を行って今日に至りました。
通常の学術学会のように、会員による研究発表大会を行っておりませんが、公益社団法人として内閣府から認定された次の公益事業を行っています。
1.地学に関する普及・啓発事業
1)各種学術講演会や見学会・巡検の開催
2)地学関連図書の整備や地学史の編纂
3)地学専門家(ジオエキスパート)派遣(講師、委員、巡検案内者、相談員等)
4)関連学協会との協力・連携
5)ウェブサイトによる広報活動
2.地学に開する総合的な学術雑誌等の出版・頒布事業
1)学術雑誌「地学雑誌」等の編集・出版
2)協会出版物等の有料頒布
3.地学に関する研究等助成・表彰事業
1)地学に関する調査・研究や普及書の出版活動への助成、国際研究集会開催助成
2)地学の進歩や普及に功績のあった方々への表彰
このサイトではその概要を紹介します。詳細については協会のWebsiteをご覧ください。
東京地学協会創立の経緯
明治時代の初期、外交官や留学生としてヨーロッパに留学・駐在していた渡辺洪基、榎本武揚、鍋島直大、長岡護美の4氏が、ウィーン、ロンドン、サンクトペテルブルクの各王立地理学協会の会員となり、地学が国の発展に大いに貢献しているのを見て、文明開化を急ぐわが国にもこうした協会が必要である、と痛感しました。帰国後、4氏らは桂 太郎、花房義質と共に創立委員となり、赤松則良、北沢正誠、佐野常民、塚本明毅、福沢諭吉、福地源一郎、山田顕義を幹事、北白川能久親王を社長 (会長) として、1879 (明治12) 年4月18日に東京地学協会を創立しました。初期の会員は皇族、貴族、政治家、外交官、軍人で構成され、能久親王、閑院宮載仁親王、榎本武揚、徳川頼倫、細川護立などが会長を務められました。その後、我が国に地学の専門家が育つにつれ、地学者が運営に当たるようになりました。研究者が会長に就任したのは1970年以降です。
草創期から第二次世界大戦期までは、世界各地への調査研究や見学旅行を実施し、成果は講演会や「地学雑誌」等に公表し、調査報告や地質図の出版も行われました。一部は協会のウェブサイトにアーカイブとして紹介されています。
戦後は専門的な地質学・鉱物学、地理学、地球物理学など地学研究の成果と社会とを結びつける活動が広く行われています。
東京地学協会創立の展示ポスター 協会のサイトへのリンク
地学雑誌
地学雑誌は、1889(明治22)年に創刊された日本で最も古い地学分野の学術雑誌です。協会創立の年に創刊された「東京地学協会報告」が「地學雑誌」に引き継がれたものです。現在でも各号表紙の雑誌名は創刊以来の「地學雑誌」が使われています。地学雑誌は、日本列島を中心にアジアを基盤にした自然地理、人文地理、地球科学などの基礎科学に重点をおき、21世紀の人間社会が抱える諸問題を総合的に扱う科学雑誌を目指しています。
B5版ながらカラーの図や写真が充実しており、特に特集号では多方面の分野の第一線の研究者が、その分野の研究最前線を概観した総説論文が数多く掲載されています。
131巻2号、2022年 特集号 130巻2号、2021年 特集号
「世界鉱物年2022ー地球のつぶやき」「東日本大震災の諸事象を記録として残す」
2013年以降の最新号や、投稿規定などは、協会Websiteの地學雑誌のコーナーに、掲載論文は創刊号(1889年1月)から新着までJ-Stageで閲覧することができます。最近では、J-Stageからの総ダウンロード数が1ヶ月当たり数万件におよんでおり、地学系和文雑誌として、研究分野内外から注目されるようになっています。
地学雑誌のウェブサイト
学術講演会・地学クラブ
研究成果の普及と様々な地学関連分野の交流を図るため、毎年春と秋に公開の講演会や、特別講演会を開催しています。自然災害・地球温暖化・資源問題のほか学際的課題など、幅広く一般の方々にも関心の深いテーマについて、専門家がわかりやすく解説します。会員でない方も参加できます。開催予告や講演要旨、開催報告や講演資料は、協会ウェブサイト(講演会・地学クラブのページ)や地学雑誌に掲載され、これまでの記録を見ることができます。2018(平成30)年度秋季講演会「マグマと活断層の上に生きる」開催報告
また「地学クラブ」は、地学研究の振興と会員の親睦を図るため、2か月に1回程度、地学会館(東京都千代田区二番町の協会所有ビル)の講堂で、第一線の研究者にホットな話題について講演をお願いし、終了後は簡単な懇談の場を設けています。協会創立当時からのサロン的雰囲気を引き継ぐ歴史ある談話会です。
いずれも一般の方々も参加でき、事前の登録も不要です。
なお、2020年以降は講演会・地学クラブともに感染対策ため開催できておりませんが、時期をみて開催する予定です。ウェブサイト(講演会・地学クラブのページ)でご案内しますので、ふるってご参加ください。
見学会・巡検
東京地学協会は、年一回程度、国内の地学見学会を開催しております。同様の見学会(巡検)は、すでに多くの学会で実施しておりますが、東京地学協会は、一般の方々も参加できるやさしい内容とていねいな解説の見学会を開催するよう努めています。野外巡検「地形図や地質図を片手に都内の地形を観察しよう」見学ルート
東京都調布市から国分寺市の国分寺崖線沿い 2019年10月
また、年一回程度、海外地学見学旅行を企画しています。わが国では、海外への地学見学旅行(ジオツアー)は盛んとはいえません。そこで、東京地学協会は、今後の広範な普及を目指して、モデルとなるツアーの実施を支援しています。なお、東京地学協会は旅行業者ではありませんので、ツアーは旅行業者が主催し、東京地学協会は、企画立案及び現地案内の支援を行っています。
イギリス南部海岸
セブンシスターズ
白亜紀チョーク層の海食崖
2017年9月
国内外の見学会・巡検の案内、開催報告(創立以来)は協会ウェブサイト(見学会・巡検のページ)や地学雑誌に掲載されています。
ただし、どちらも2020年以降、感染対策のため開催できていないため、時期をみて開催する予定です。開催日程が決まりましたら、ウェブサイトでご案内します。
調査・研究および普及・啓発活動(出版)助成
地学研究の振興を図るため,会員や会員から紹介を受けた方を対象に調査・研究助成制度を設けています。1) 地学に関する調査・研究(教育法・普及研究を含む)
採択実績:数~10件/年,50万円以内/1件
2) 国内で開催される地学に関する国際研究集会
採択実績:1~3件/年,100万円以内/1件
また、地学の普及・啓発活動への助成として、日本国内のジオパークや自然遺産に関わる地域の地学について啓発し、様々な地学現象一般についての理解を促進する出版活動に助成しています(採択実績:1~2件/年,100万円以内/1件)。
2016年9月出版 2016年7月出版
出版助成を受けたジオパーク(ジオツアー)ガイドブック
令和2年度の出版助成を受けた世界自然遺産ガイド(2021年3月出版)
どちらの助成制度も応募時期に要項を協会ウェブサイト(助成・表彰のページ)に掲載しており、助成実績一覧も閲覧できます。助成による成果の概要は、助成を受けた方々からの報告として地学雑誌に掲載しています。
また、2016年4月の熊本地震や2018年7月の西日本豪雨に際しては、緊急調査・研究助成金を交付しています。
表彰「東京地学協会メダル」
地学の発展と普及に大きな功績のあった内外の地学研究者や団体を顕彰するため,「東京地学協会メダル」と「地学普及功労賞」を授与しています受賞者の一覧は協会のWebsiteに掲載しています。
東京地学協会メダル授与式・表彰式の際には、記念講演会を設けていますが、この2年は公開の講演会の開催を見合わせています。
入会案内
本協会の目的に賛同して協会の諸事業に主体的に活動いただける、地学とその関連分野の専門家で、大学院博士前期課程もしくは修士課程において地学もしくはその隣接科学を専攻しこれを修了された方、または研究業績等から判断してこれと同等以上の学識経験、もしくは社会での実務経験を有する方を歓迎いたします。会員(年会費5,000円)には,カラーページの多い隔月発行の「地学雑誌」がお手元に届くほか,メール登録会員には講演会や地学クラブ,見学会などの案内がメールニュースで配信されます。地学雑誌への投稿,研究・出版助成への応募のほか,様々な公益活動に参加できます。地学の進歩・普及のために社会貢献活動を共に行いましょう。
入会手続きの詳細および入会申込書は協会ウェブサイト(入会案内のページ)をご覧ください.
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担当部署
東京地学協会 事務局
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住所
102-0084
東京都千代田区二番町12-2 地学会館内 -
Tel
03-3261-0809
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Fax
03-3263-0257
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