日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS08] Multiple scale structure and their interactions in Asian monsoon system

2022年5月31日(火) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (6) (Ch.06)

コンビーナ:徹 寺尾(香川大学教育学部)、コンビーナ:鼎 信次郎(東京工業大学 環境・社会理工学院)、松本 淳(首都大学東京大学院都市環境科学研究科地理環境学域)、座長:寺尾 徹(香川大学教育学部)

11:00 〜 13:00

[AAS08-P06] 修復深層学習による熱帯域における降雨バイアスの抑制

*長谷川 青春1鼎 信次郎1 (1.東京工業大学)


キーワード:深層学習、降水、CMIP6、修復、熱帯域

数値計算モデルはその目覚ましい発展のおかげで、降雨の短期予測において著しく高い予測精度を発揮する。一方、熱帯域を含むモンスーンなどの複雑な気象現象が降雨と深く関係する地域においては、未だ不確実性が大きい。強力な統計手法である深層学習は,空間的特性を学習し、周辺データから欠損値を補完することが可能である。この手法を適用し、熱帯域の降雨分布を周辺降雨情報から再現する手法を提案する。
本研究では降雨予測が重要な役割を果たすタイを対象に、深層学習による降雨再現実験を行った。CMIP6の降雨データセットを用い、65アンサンブルの全球降雨データから、タイ北部全域以外の地域の降雨を学習し、北部全域内をモデルにより出力した。
結果、深層学習モデルは実際の降雨を過大評価する傾向が見られたが、降雨分布に関して正確な再現が可能であることが明らかになった。この手法は、計算コストが小さく、必要とするデータが限定的であることから、実務への応用が期待できる。また、全球域に対しての応用可能性を秘めている。