日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC28] 雪氷学

2022年5月26日(木) 15:30 〜 17:00 301B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、コンビーナ:石川 守(北海道大学)、砂子 宗次朗(防災科学技術研究所)、コンビーナ:舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学)、座長:舘山 一孝(国立大学法人 北見工業大学)


15:45 〜 16:15

[ACC28-06] スキー場を対象とした面的風況推定・吹きだまり分布の推定と冬季観測の比較

★招待講演

*田邊 章洋1、伊藤 陽一1、イセンコ エフゲーニー2、斎藤 佳彦2、西村 浩一2、山口 悟1 (1.防災科学技術研究所、2.雪研スノーイーターズ)

キーワード:吹雪、吹きだまり、スキー、数値モデル

冬季の厄介者である雪は一方で、雪国におけるレジャー・観光資源でもある。このようなレジャー施設では安全管理が重要な課題であり、特にスノーアクティビティが活発な山岳域では雪崩対策が課題である。
例えば、北海道のニセコエリアは雪質の良さからスキー場外滑走(バックカントリー)の聖地として国内外で認知されている。ニセコでは、これらを目的とする人々の安全を確保するために独自の”ニセコルール”が設けられ、加えて早朝の気象状況からニセコなだれ情報が長年発信されている。ニセコなだれ情報では、雪崩発生危険度の判断材料の一つとして、雪庇(吹きだまり)の安定度に言及されている。安定度は雪庇が形成されてからの経過時間や気象状況等によって判断され、安定化していない段階の雪庇への多量の降雪や外部刺激(スキー等の通過)は雪崩のトリガーの一つとして考えられている。
我々は長年培われてきた知見を基にして、雪崩リスクを推定するシステムの構築を行ってきた。このシステムではスキー場に設置した気象測器の点データから、面的な風況及び吹きだまり形成箇所の推定を行うことで、「いつ、どこに、どれくらい雪が吹きだまるか?」を推定する。本発表では、推定手法及び観測結果との定性的・定量的な比較について報告する予定である。