11:00 〜 13:00
[AHW24-P10] UAVを用いた沿岸浅海域での構成種別藻場分布量の評価
キーワード:沿岸藻場、UAV、NDVI
藻場は、沿岸浅海域において、水生生物の生息場所の提供や、水質の浄化などの役割を担っている。近年藻場は、埋め立てや水質の悪化などで世界的には減少の傾向にある。このため、モニタリングによる藻場の管理が重要であり、様々なプラットフォームを用いた観測が行われている。UAVは、雲による影響を受けない点、手軽な観測を行える点、解像度が高い写真を取得できる点などから、藻場をモニタリングする上で極めて有用性が高い手段であり、近年ではいくつかの研究で用いられている。
これまでの先行研究の多くでは、UAVによる藻場の生息状況は、面積にのみで評価されてきた。しかしながら、藻場の表面積だけでは、藻場の生息・生育状況や藻場による炭素固定量を適切に評価するには不十分であるといえる。
そこで本研究では、UAVによる空撮画像を用い、藻場を構成する海草・海藻類の種類の識別を行ったうえで、沿岸浅海域での藻場の分布量推定を行うことを目的とした。
藻場構成種の区別の方法に関しては、生息場所の特性を利用した。生息場所の特徴として、海草類は砂地で生息しており、海藻類は岩塊上に生息しているという特徴がある。また、コアマモとオオアマモは生息している水深に違いがある。実際に踏査調査でも、このような種類ごとの生息場所の特徴が確認できたため、踏査調査の結果と照らし合わせながら、藻場構成種の分類を行った。
また、藻場の分布については、NDVIを指標の一つに用いた。しかしながら、近赤外線が水による影響を大きく受けるため、水中でのNDVIの把握は難しい。そこで本研究では底質指標に着目した。底質指標は2種類の波長帯を用いて底質を推定する方法で、水の影響を除去した解析が可能である。底質指標とNDVIとの間に回帰式を作成することで、水中でのNDVIの推定を行った。
藻場の調査および解析は、瀬戸内海の生口島を対象とした。可視画像の取得に関してはUAVに備え付けられているカメラを使用し、高度100mからの撮影で解像度はおよそ2.8cm/pixelであった。近赤外画像については、yubaflexと呼ばれるカメラを使用して撮影した。この時の解像度は3.7cmであった。干潟での踏査調査も同時に行い、藻場のサンプルの採取や分布状況の把握を行った。
NDVIの推定の結果、海藻類、オオアマモ、コアマモの順に値が大きかった。今後は、今回の結果を利用して、バイオマス量の定量的な把握を実施していく予定である。
本研究は、日本学術振興会科学研究費 基盤研究(B)(No. 21H03650、研究代表者:齋藤光代)の支援を受けて行われました。
これまでの先行研究の多くでは、UAVによる藻場の生息状況は、面積にのみで評価されてきた。しかしながら、藻場の表面積だけでは、藻場の生息・生育状況や藻場による炭素固定量を適切に評価するには不十分であるといえる。
そこで本研究では、UAVによる空撮画像を用い、藻場を構成する海草・海藻類の種類の識別を行ったうえで、沿岸浅海域での藻場の分布量推定を行うことを目的とした。
藻場構成種の区別の方法に関しては、生息場所の特性を利用した。生息場所の特徴として、海草類は砂地で生息しており、海藻類は岩塊上に生息しているという特徴がある。また、コアマモとオオアマモは生息している水深に違いがある。実際に踏査調査でも、このような種類ごとの生息場所の特徴が確認できたため、踏査調査の結果と照らし合わせながら、藻場構成種の分類を行った。
また、藻場の分布については、NDVIを指標の一つに用いた。しかしながら、近赤外線が水による影響を大きく受けるため、水中でのNDVIの把握は難しい。そこで本研究では底質指標に着目した。底質指標は2種類の波長帯を用いて底質を推定する方法で、水の影響を除去した解析が可能である。底質指標とNDVIとの間に回帰式を作成することで、水中でのNDVIの推定を行った。
藻場の調査および解析は、瀬戸内海の生口島を対象とした。可視画像の取得に関してはUAVに備え付けられているカメラを使用し、高度100mからの撮影で解像度はおよそ2.8cm/pixelであった。近赤外画像については、yubaflexと呼ばれるカメラを使用して撮影した。この時の解像度は3.7cmであった。干潟での踏査調査も同時に行い、藻場のサンプルの採取や分布状況の把握を行った。
NDVIの推定の結果、海藻類、オオアマモ、コアマモの順に値が大きかった。今後は、今回の結果を利用して、バイオマス量の定量的な把握を実施していく予定である。
本研究は、日本学術振興会科学研究費 基盤研究(B)(No. 21H03650、研究代表者:齋藤光代)の支援を受けて行われました。