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[AOS22-06] 日本海における海面水温の昇温トレンド空間分布と海洋循環
キーワード:日本海、トレンド、空間分布
海面水温(SST)は大気場や生物生産に影響する物理指標であり、日本海は周辺海域に比べ大きなSST上昇トレンドを示していることから(気象庁2020)、長期間における時空間変化の理解が求められている。日本海のSSTトレンドの特徴は空間一様に広がっておらず、対馬海流が通る韓国沿岸から日本海沿岸にかけて数100kmスケールの極大・極小を持つことである。このような空間分布がなぜ存在しているのか明らかではない。本研究ではSSTとSSHの衛星データを用いて水温前線および地衡流Jetの位置を解析することで、水温前線・地衡流JetとSSTトレンドとの関係性を求め、日本海におけるSSTトレンドと海洋内部循環の関係について検証した。
水温前線と地衡流Jetの南北変化は日本海の東西で異なる特性を示していた。日本海の東側137°Eにおいて水温前線と地衡流Jetの平均位置はほぼ同じ緯度に存在しており、両者はともに南下していることが分かった。この南下はSSTトレンドの極小部分と一致しており、前線と地衡流Jetの位置変化がSSTトレンドの極小を作り出していることを示している。一方で西側134°Eにおいては両者の位置は約2°離れており、南北変化も不明瞭であった。ただし、地衡流Jetの平均位置を中心としてSSTトレンドの極大が存在することが分かり、このことは日本海の海洋循環がSSTトレンドの空間分布に強く影響を与えていることを示している。
水温前線と地衡流Jetの南北変化は日本海の東西で異なる特性を示していた。日本海の東側137°Eにおいて水温前線と地衡流Jetの平均位置はほぼ同じ緯度に存在しており、両者はともに南下していることが分かった。この南下はSSTトレンドの極小部分と一致しており、前線と地衡流Jetの位置変化がSSTトレンドの極小を作り出していることを示している。一方で西側134°Eにおいては両者の位置は約2°離れており、南北変化も不明瞭であった。ただし、地衡流Jetの平均位置を中心としてSSTトレンドの極大が存在することが分かり、このことは日本海の海洋循環がSSTトレンドの空間分布に強く影響を与えていることを示している。