日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS11] 湿潤変動帯の地質災害とその前兆

2022年5月23日(月) 13:45 〜 15:15 201B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:小嶋 智(岐阜大学工学部社会基盤工学科)、コンビーナ:内田 太郎(筑波大学)、苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、座長:苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、内田 太郎(筑波大学)、小嶋 智(岐阜大学工学部社会基盤工学科)

14:45 〜 15:00

[HDS11-05] 差分干渉SAR解析と航空レーザー測量を用いた飛彈山脈北部での地すべり変動の検出

*青木 綾乃1奈良間 千之1山之口 勤2、田殿 武雄3 (1.新潟大学、2.一般財団法人 リモート・センシング技術センター、3.宇宙航空研究開発機構)


キーワード:地すべり、差分干渉SAR解析、衛星画像、航空レーザー測量

地すべりや崩落などの表層や深層の斜面崩壊を早期に把握する手法として,マイクロ波データを利用した差分干渉SAR解析がある(林野庁,2020). しかしながら,山岳地域での差分干渉SAR解析法の適用には,衛星のマイクロ波照射角度や照射方向によりすべての地すべりが検出できないなどの問題があり,それらを十分考慮せずに使用されている現状がある.また,山岳域での干渉SAR解析では,干渉性の低下が生じやすいという課題がある.干渉性の低下は,地表面変動による変化が大きいところ以外にも,落葉による地表面の変化(西口ほか,2017)や,積雪期による地表面の変化(水野ほか,2014)による影響が報告されている.しかし,複数の斜面変動を広域で比較した研究は少なく,干渉SAR解析で把握可能な斜面変動の特徴の解明は不十分である.
 そこで,本研究では,地すべり地形が多く発達する(中野ほか,2002),飛彈山脈北部を対象に,差分干渉SAR解析と多時期の航空レーザー測量データのイメージマッチング解析から地表面変動の候補箇所をプロットした.その結果,地表面変動の候補箇所は,DInSARと航空レーザー測量の両手法で検出されたもの,DInSARのみで検出されたもの,航空レーザー測量のみで検出されたものの3種類に分類された.本発表では,3種類の地位表面変動候補箇所の地形や移動量を比較することで,山岳域での差分干渉SAR解析で把握可能な地表面変動の特徴について考察する.