日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT18] 環境トレーサビリティ手法の開発と適用

2022年5月27日(金) 13:45 〜 15:15 201B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:陀安 一郎(総合地球環境学研究所)、コンビーナ:Ki-Cheol SHIN(総合地球環境学研究所)、山下 勝行(岡山大学大学院自然科学研究科)、座長:山下 勝行(岡山大学大学院自然科学研究科)、SHIN Ki-Cheol(総合地球環境学研究所)

14:30 〜 14:45

[HTT18-04] 花崗岩地帯の斜面崩壊現象と化学的流出成分の関係における解析

*川越 清樹1、佐藤 綺香1、藪崎 志穂2 (1.福島大学共生システム理工学類、2.総合地球環境学研究所)

キーワード:花崗岩、多元素分析、斜面崩壊、風化

近年,日本各地で降水量の観測史上最大の更新が相次いでいる.気候変動により更なる豪雨の量,頻度の増加も予測されており,安全な社会構築に向けた多岐の科学技術を導入した革新的な防災効果の高い技術開発が切望されている.莫大な山岳地を有する日本では,土砂災害による被害が多い.そのため,早急に斜面崩壊現象を察知できる計測技術の確立が必要とされている.
このような課題に対し,河川水質の化学的な特徴から地質の風化度を導出して,流域内の土砂影響のリスクの同定を試みた.古くより表流水の化学成分より風化度や流域の斜面崩壊リスクを求めるための調査,分析は進められているものの未だ同定の方法論は確立されていない.本研究では,花崗岩地帯である阿武隈高地を対象地に設定して,数値地図情報や衛星画像等から取得される流域の情報と化学成分を比較しながら風化を同定することに取り組んだ.その結果,斜面崩壊地で著しく化学成分の流出が増加していることを把握した.