11:00 〜 13:00
[MTT45-P01] 道東・屈斜路カルデラとその周辺で観測される短期的重力変化
★招待講演
我々は、屈斜路カルデラ周辺において、長期に安定でかつ連続観測可能な超伝導重力計と、ドリフトフリーな絶対重力計、可搬型で連続測定も容易なスプリング式相対重力計を効果的に組み合わせて使用し、地下のマグマ活動や断層運動、それらに関係する物性変化や地表変形に伴う重力変化の検出を目指している。2018年11月に弟子屈観測所においてiGrav型超伝導重力計による連続観測を開始した。結果として得られた重力の季節変化は、土壌水分や積雪など陸水の質量変化が主な原因とわかったが、得られた残差時系列には陸水変化モデルでは説明できていない短期的変化も見られている。これらの短期的変化には、検出を目的としているマグマ活動に伴う変化のほかに、近地地震・遠地地震、気圧変動や湖水面変動で生じた地面振動の影響も含まれていることが予想される。そのため、屈斜路カルデラ地域に展開した相対重力計、屈斜路湖に設置した水圧(水位)計のほか、弟子屈観測所に設置した微気圧計、積雪重量計といった、新たに取得し始めた現地観測データと比較し、それらの原因を検討する。