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[MZZ47-P03] 海洋鉱物資源開発候補地域における深海性ベントスの遺伝的集団構造
キーワード:深海鉱物資源開発、ベントス、DNAバーコーディング、遺伝的集団構造
深海鉱物資源開発が近年注目を集めており、それに関連した環境ベースライン調査の実施が求められている。本研究では、北西太平洋における海洋鉱物資源開発候補地域で見られる深海性ベントスの集団構造に関する基礎情報を、分子集団遺伝学的解析で明らかにすることを目的とした。これまでの環境ベースライン調査で採取された優占する種を対象に、ミトコンドリアのcytochrome c oxidase subunit I遺伝子領域によるDNAバーコーディング解析と集団遺伝解析を行った。アナゴ類の場合、各集団で高い遺伝的多様性が見られ、集団間での有意な遺伝的分化も検出されず、集団間で高い連結性が維持されていることが示唆された。コンゴウアナゴに関しては、一塩基多型解析でも高い連結性が確認された。端脚類に関しては、分子系統解析により、単一種と推定されるものが複数見つかり、遺伝的多様性が低いものも見られた。我々はまた、1種類の甲殻類に関しては、高い遺伝的多様性を維持していることを確認した。本研究の結果は、海洋鉱物資源開発候補地域で見られる深海性ベントスの遺伝的集団構造に関する重要な基礎的知見であり、外部からの撹乱に対する集団への影響を推定することや、将来的な連結性解析の候補種の選定に役立つことが期待される。