日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

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[O-02] ジオパークで学ぶ日本列島の特徴と地球・自然・人の相互作用(口頭招待講演)

2022年5月22日(日) 13:45 〜 15:15 302 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:松原 典孝(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、コンビーナ:横山 光(北翔大学)、郡山 鈴夏(糸魚川市役所)、コンビーナ:佐野 恭平(兵庫県立大学大学院 地域資源マネジメント研究科)、座長:殿谷 梓(三好市役所ジオパーク推進室)、長尾 隼(栗駒山麓ジオパーク推進協議会)、郡山 鈴夏(糸魚川市役所)、榊山 匠(四国西予ジオパーク推進協議会)

14:15 〜 14:45

[O02-05] 隠岐ジオパークの地質・自然・文化のつながりの特徴と伝え方〜組織の違いによる活動変化の気づき〜

★招待講演

*池永 遼介1 (1.一般社団法人 隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会)

キーワード:ジオパーク、隠岐諸島、日本海、法人格

島根県の沖合40〜80kmに位置する隠岐ジオパークは、4つの有人島と約180の無人島で構成される。約600万年前に始まった火山活動で誕生した島の地質は、アルカリ岩と呼ばれる火山岩類を主としており、日本列島では珍しい性質である。また、エリアで最も古い地質である2億5000万年前の隠岐変成岩類は、同様の岩石が朝鮮半島など大陸側にも分布することから、日本列島がかつては大陸の一部であったことの証拠である。
火山島として誕生した隠岐だが、気候変動による海水面の上下で、本州と陸続きの状態と離島の状態を繰り返した過去をもち、これは北方系と南方系の植生の混在など、生態系に大きな影響を及ぼしている。一方、歴史・文化など、隠岐の人の営みの原点には、火山の産物である黒曜石の活用やその流通という出来事がある。今日まで続く、島での暮らし、産業などは、地形・地質に則して発展したものも多い。
ジオパークの役割として、このような地質・自然・文化のつながりを伝え、情報の価値を高めることが挙げられるが、隠岐ジオパークでは2020年度の法人格の取得がこれの助けとなっている。任意団体時と比較し、他機関との連携面でハードルが下がり、地域づくりにダイレクトに関与できているという手応えがある。2022年度からは、隠岐観光協会との合併により、さらにこれを発展させていきたいと考えている。このような組織面からの所感やメリットについても紹介する。