日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM11] Dynamics of the Inner Magnetospheric System

2022年6月1日(水) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (3) (Ch.03)

コンビーナ:桂華 邦裕(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、コンビーナ:三好 由純(名古屋大学宇宙地球環境研究所)、Blum Lauren W(University of Colorado Boulder)、コンビーナ:Shprits Yuri(Helmholtz Centre Potsdam GFZ German Research Centre for Geosciences)、座長:桂華 邦裕(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)


11:00 〜 13:00

[PEM11-P07] オメガバンドの光学2波長による降下電子特性

*森井 雄大1栗田 怜2三好 由純1遠山 航平1細川 敬祐3大山 伸一郎1小川 泰信4齊藤 慎司5 (1.名古屋大学宇宙地球環境研究所、2.京都大学生存圏研究所、3.電気通信大学、4.国立極地研究所、5.情報通信研究機構)

オメガバンドは、サブストーム時に真夜中から朝側で発生し、湾曲した構造が東側にドリフトするという特徴を持つ。オメガバンドは緯度方向に構造を持っており、極側にはディスクリートオーロラが、一方、低緯度側にはディフューズオーロラや脈動オーロラが発生している。オメガバンドは、磁気圏におけるプラズマの高速流やシア運動に関係していることが指摘されており、オメガバンドを作り出している降下電子の空間構造や時間変化を明らかにすることで、磁気圏側現象との対応の議論が進むことが期待される。そこで、本研究では、ノルウェー・トロムソに設置されている多波長のEMCCDカメラのデータを用いて、オメガバンドにおける降下電子のエネルギーや下向きのエネルギーフラックスの2次元分布を導出し、オメガバンドの降下電子の特性を明らかにすることを目的としている。本研究では、2017年3月2日 1:30~2:30 UT (MLT: 4:00~5:00頃)にかけてサブストーム回復相に発生したオメガバンドイベントについて、427.8nm と844.6nm の2波長の発光強度比から降下電子エネルギーとエネルギーフラックスを推定した。特にこのオメガバンドの低緯度側に出現したディフューズオーロラに着目したところ、降下電子エネルギーの東西分布には有意な差は見られなかったものの、下向き電子フラックスは西側の方が約2倍強いことが明らかになった。また、オメガバンドの極側から低緯度側にかけて、ディスクリートオーロラとディフューズオーロラが同時に観測されるとともに、ディフューズオーロラ中に東西方向に伸展したブラックオーロラが観測された。講演では、オメガバンドの各領域における降下電子エネルギーの特徴と時間変化について議論する。