日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD02] 測地学・GGOS

2022年5月24日(火) 13:45 〜 15:15 101 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、コンビーナ:三井 雄太(静岡大学理学部地球科学科)、松尾 功二(国土地理院)、座長:三井 雄太(静岡大学理学部地球科学科)、古屋 智秋(国土地理院)

14:00 〜 14:15

[SGD02-02] 測地学分野のオープンデータシステムの実装に向けて

*横田 裕輔1落 唯史2、関戸 衛3瀧口 博士4 (1.東京大学生産技術研究所、2.産業技術総合研究所、3.情報通信研究機構、4.宇宙航空研究開発機構)

キーワード:GGOS、オープンデータ、データDOI

GGOS(Global Geodetic Observing System)では多くの測地学・宇宙測地学分野の観測データの公開方法やフォーマットについて広く議論するために、2019年からGGOS WG on DOIsを立ち上げた。また、同年に、GGOS Japanでは日本国内の測地学データの公開方法について議論するData DOI部会を立ち上げている。これらの観測システムと観測データは多くの機関によって支えられているが、狭義の目的が異なり、予算元の制約や研究開発の制約も異なっている。そのため、データの公開に関しても、これまで個別のルールを適用して進めてきたが、初学者や異分野の研究者へのサポート、それぞれの観測システム・データに対する責任の明確化・予算へのサポートなどを理由として、より明確なルールやサポート情報を定義するべきである、と考えられるようになった。
本プレゼンテーションでは日本国内の測地学分野におけるオープンデータへの試みと進捗について述べる。GGOS JapanのData DOI部会において複数回の公式なデータ部会会合が開かれ、昨年から日本測地学会として、新しいオープンデータシステムを構築するための作業部会を立ち上げている。その中でいくつかの案が出され,実装の可能性について検討されている。
現在、WARPと呼ばれる国立国会図書館の収集システムとJ-Stage Dataのシステムを利用したオープンデータシステムの構築について議論が進められている。行政機関の関与が大きい測地学分野において公的機関のデータ・コード収集を目的としたWARPシステムによる仮想的なデータ保管は各機関の負担を軽減する。また、大学等の小規模なグループが収集したデータについてはJ-Stage Dataを介したデータの保管も利用できると考えている。
現在、これらに加えてDOI付与についても議論を進めており、現実的に実現しうるオープンデータシステムの構築と実装が進められている。