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[SVC31-15] プルームの水蒸気同位体組成から推定した阿蘇中岳2021年10月噴火の噴火メカニズム
キーワード:火山ガス、プルーム、水蒸気、同位体組成、ドローン、自動プルーム採取装置
阿蘇火山の中岳第一火口で2021年10月20日に噴火が発生した(気象庁)。噴火に伴い多数の火山岩塊が火口周辺に投出され、火砕流も流下した。また噴煙 (プルーム;火山ガスが大気中に放出され、希釈・冷却されることで形成される) は火口上約3500mまで上昇した。
火山ガスの化学組成や同位体組成は、火山性流体の挙動や起源を推定する上で、また火山活動の現状や今後の推移を把握する上で有用な指標となる。しかし、本格的な噴火活動が始まってしまうと、火山ガスの採取は絶望的になる。そこで、火山ガスの代わりに噴煙の化学組成や同位体組成を測定し、ここから大気成分の寄与を補正することで、火山ガスの化学組成や同位体組成を推定する努力が、過去20年間に渡って行われて来た。近年は、ドローンを用いてある程度高濃度のプルームを採取することで、濃度はもちろん、一部の成分の同位体組成まで推定出来るようになった。特に火山ガスの8割以上を占める水蒸気の同位体組成は、その起源がマグマ(マグマ水)の場合と、山体内部の地下水(天水)の場合で大きく異なることが知られている。従って噴火に伴って大気中に放出されるプルームの中の水蒸気の同位体比を定量化することが出来れば、そこから噴火タイプを判定出来る可能性がある。
そこで我々は、ドローンに自律型の自動サンプラー (SelPS) を搭載し、2020年11月15日に阿蘇中岳において高濃度噴煙試料の採取に成功したので、結果を報告する。
本研究は、文部科学省次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト (課題B「先端的な火山観測技術の開発」) の助成を受けて実現しました。また現地観測では井上寛之様 (京大)、阿蘇火山防災会議協議会の皆様に大変お世話になりました。
火山ガスの化学組成や同位体組成は、火山性流体の挙動や起源を推定する上で、また火山活動の現状や今後の推移を把握する上で有用な指標となる。しかし、本格的な噴火活動が始まってしまうと、火山ガスの採取は絶望的になる。そこで、火山ガスの代わりに噴煙の化学組成や同位体組成を測定し、ここから大気成分の寄与を補正することで、火山ガスの化学組成や同位体組成を推定する努力が、過去20年間に渡って行われて来た。近年は、ドローンを用いてある程度高濃度のプルームを採取することで、濃度はもちろん、一部の成分の同位体組成まで推定出来るようになった。特に火山ガスの8割以上を占める水蒸気の同位体組成は、その起源がマグマ(マグマ水)の場合と、山体内部の地下水(天水)の場合で大きく異なることが知られている。従って噴火に伴って大気中に放出されるプルームの中の水蒸気の同位体比を定量化することが出来れば、そこから噴火タイプを判定出来る可能性がある。
そこで我々は、ドローンに自律型の自動サンプラー (SelPS) を搭載し、2020年11月15日に阿蘇中岳において高濃度噴煙試料の採取に成功したので、結果を報告する。
本研究は、文部科学省次世代火山研究・人材育成総合プロジェクト (課題B「先端的な火山観測技術の開発」) の助成を受けて実現しました。また現地観測では井上寛之様 (京大)、阿蘇火山防災会議協議会の皆様に大変お世話になりました。