日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-08] 地球惑星科学の進むべき道11:地球惑星科学分野の大型研究計画

2022年5月23日(月) 09:00 〜 10:30 展示場特設会場 (2) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:中村 卓司(国立極地研究所)、コンビーナ:田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)、佐竹 健治(東京大学地震研究所)、コンビーナ:高橋 幸弘(北海道大学・大学院理学院・宇宙理学専攻)、座長:田近 英一(東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻)

09:21 〜 09:44

[U08-01] 機動的観測の展開による南極域の環境変動と全球への影響の解明

*野木 義史1阿部 彩子2原田 尚美3杉山 慎4堤 雅基1川村 賢二1田村 岳史1奥野 淳一1 (1.国立極地研究所、2.東京大学大気海洋研究所、3.海洋研究開発機構、4.北海道大学低温科学研究所)

キーワード:南極、環境変動、海水準、砕氷船、現場観測、数値シミュレーション

海洋に囲まれ、中央部を氷床に覆われた大陸を有する南極は、温暖化をはじめとする全球的な気候変動に対して敏感に応答する一方、南極で起こる環境変動は、大気・海洋の変化等を通し、地球全体に大きな影響をもたらす。例えば、海水準で約60mに相当する南極氷床の質量損失や、南極オゾンホールの回復による温暖化の増幅等、早急に解明すべき現象が進行している。しかし、温暖化による影響の定量的把握や将来予測の精度向上が強く求められているにもかかわらず、現場観測が他地域より圧倒的に困難であり、南極のみならず、地球システム理解の障壁となっている。本計画は、世界最高水準の砕氷能力を持つ船および新たな無人観測技術の導入による機動力・展開力、さらに日本が他国にリードする数値シミュレーション技術等を総動員し、全球環境の将来予測への貢献を念頭に、過去から現在、未来の南極環境変動の学際的研究を推進する。