日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG38] 海洋と大気の波動・渦・循環の力学

2023年5月22日(月) 15:30 〜 17:00 オンラインポスターZoom会場 (1) (オンラインポスター)

コンビーナ:青木 邦弘(気象庁 気象研究所)、長船 哲史(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、久木 幸治(琉球大学)、杉本 憲彦(慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/22 17:15-18:45)

15:30 〜 17:00

[ACG38-P01] あかつきLIR観測を想定した観測システムシミュレーション実験

*杉本 憲彦1,2藤澤 由貴子2小守 信正2安藤 紘基3神山 徹4高木 征弘3 (1.慶應義塾大学 法学部 日吉物理学教室、2.慶應義塾大学 自然科学研究教育センター、3.京都産業大学 理学部、4.国立研究開発法人産業技術総合研究所 デジタルアーキテクチャ研究センター)

キーワード:金星大気、あかつき、データ同化、中間赤外カメラ、熱潮汐波

あかつき中間赤外線カメラ(LIR)観測を想定した観測システムシミュレーション実験(OSSEs)によって、温度の同化が金星大気に及ぼす影響を調べた。温度の疑似観測を金星大循環モデル (VGCM) によって生成し、観測頻度と水平領域のいくつかの組み合わせで、高度 70 km で同化した。その結果、観測が 6 時間ごの頻度で、昼間の限られた領域でしか利用できない場合であっても、熱潮汐波の 3 次元構造は大幅に改善されることがわかった。さらに帯状平均した東西風と気温場も、熱潮汐波の鉛直運動量輸送を通じて、高度 60 ~ 80 km で全球的に修正された。これらの結果から、あかつき LIR 観測を同化し、金星大気の現実的な客観解析の作成を行うことは有望であろう。

Sugimoto, N. et al., Akatsuki LIR observing system simulation experiments evaluated by thermal tides in the Venus atmosphere, Geoscience Letters, Vol.9, (2022), 44, https://doi.org/10.1186/s40562-022-00253-8.