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[ACG39-01] 都市緑地における炭素収支に関する研究
キーワード:都市緑地、純生態系生産、季節変動
都市部の緑地は、都市のヒートアイランドを緩和し、CO2の吸収源として機能する。一方、都市緑地の生態系は、周辺市街地からの熱や汚染物質の影響を受けている。そのため、都市緑地における熱収支やCO2交換は、校外の森林とは異なる可能性がある。この点については、都市緑地における微気象計測の研究例が少ないため、十分に検討されていない。本研究では、都市緑地におけるCO2交換を測定により明らかにした。東京都港区白金台に位置する附属自然教育園(20万m2)を対象に、2009年から計測を継続している。周辺には中層ビルや首都高速道路がある。緑地は平均高さ14mの林冠で覆われている。主要な樹種については胸高直径が10cm以上かつ個体数の多いものからシュロ、スダジイ、ミズキである。緑地分類の割合は落葉広葉樹林が43%、常緑広葉樹林が36%、単子葉が19%、落葉針葉樹林が2%である。自然教育園の中心部において地上20 m(樹冠上約6 m)の高度で、超音波風速計とオープンパス型ガス分析計を用いてCO2フラックスを測定した。データは乱流条件の品質管理を行い欠測に対しては非線形回帰法によるギャップフィルを行った。CO2交換の季節変動と経年変動を解析した。月平均CO2交換が吸収であったのは3月から10月であった。炭素の月最大吸収量は、6月で157 gC/m2 /monthであり、月最大排出量は12月で35 gC/m2 /monthであった。2010年から2021年における炭素吸収量の年平均値は652 gC/ m2/yearであった。