日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG44] 全球海洋観測システムの現状と将来:自動観測と船舶観測の可換性

2023年5月26日(金) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (9) (オンラインポスター)

コンビーナ:細田 滋毅(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、桂 将太(東京大学大気海洋研究所)、藤井 陽介(気象庁気象研究所)、増田 周平(海洋研究開発機構)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/25 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[ACG44-P05] 機械学習手法によるArgoデータQCフラグ付与

*纐纈 慎也1、杉浦 望実1細田 滋毅1佐藤 佳奈子1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:全球観測網、自動観測、品質管理

Argo プロジェクトの元で観測網の調整・維持・品質管理・データ公開がなされている昇降式海洋観測プロファイラを用いた海洋観測網は、現代の海洋観測網を支える大きな基盤となっている。このプロジェクトの元で公開されているプロファイルは1月当たり12000プロファイルにのぼる。このプロファイルは、即時品質管理を経て公開された後、詳細な科学的解析に耐える遅延品質管理を行うことでより信頼性の高いデータセットとして公開されている。これまでのプロファイルデータの状況から、即時品質管理時につけられた品質管理フラグは、(データセンターに依存するが)遅延品質管理時に2割以上付け替えがあり、データフローとしても遅延品質管理に一定のインパクトがあることがうかがわれる。また、近年、フロートに搭載された塩分センサーの時間ドリフトの問題やデータ同化を用いたインパクト解析などによって、遅延品質管理の重要性が改めて明らかになってきている。一方で、Argoデータは、機動的観測研究や現業業務にも活用されており、速報性も重要であると考えられ、より素早く、よりよい品質のデータセットを生成することは有用であると考えられる。海洋研究開発機構では、こうした背景をもとに、既存の遅延品質管理の結果から学習することで、比較的即応的に、即時品質管理と遅延品質管理の間を埋めるデータセット作成を可能とすることを目指して機械学習に基づく品質管理フラグ付け手法を開発している。その経過について報告する。