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[BPT03-P05] 浮遊物に付着するフジツボの一種カルエボシの殻成長
カルエボシLepas anseriferaは日本周辺の外洋浮遊物に普遍的に付着するフジツボ類であり、石灰質の外骨格を付加成長させる特殊な甲殻類である。浮遊物に付着する生活様式は複数の進化系統に独立に生じていると考えられており、フジツボ類の多様性が最も高かったと考えられている中生代には流木のほかアンモナイトの殻に付着する種類も存在していた。現在は流木、流れ藻、軽石などの天然物やプラスチックをはじめとする人工物など、海洋表層を漂う様々な基盤に付着している。軽石やプラスチックは、近年人類の活動や海洋生態系に影響を与えることで注目されており、その挙動を明らかにすることは今後の保全等に繋がる。本発表では、フジツボ類の殻形成についての知見をまとめるとともに、今回実施したカルエボシの飼育実験に基づき、個体間及び個体内殻間で観察された成長量や成長率の変化、安定同位体比の変化について報告・議論する。