[G-02] 総合的防災教育

[G02-P03] 科学的知識の共有を通じた構成主義的学習観の再構築
―川越市での地震・水害防災教育の事例を通じて―

*岩堀 卓弥¹、日向 惠里名²、長田 翔²、大木 聖子² (1.京都大学、2.慶応義塾大学)

キーワード：地震、水害、防災教育、サイエンスコミュニケーション、正統的周辺参加

本研究の目的は、災害から命を守ることを目標に掲げた防災教育の前提となるべき災害の認知が科学的知識を基にどのように構成されるかを、埼玉県川越市のフィールド校で実施している取り組みの事例を通じて明らかにすることである。
そのために、参加型学習の過程で型として身に付ける役割の解釈から社会的文脈における意味を生成・発見する学びの過程についての理論的な観点を整理した。その上で、発災時に学校で起こりうる出来事を擬似体験する地震防災訓練と、科学的知識を物語化して災害が起こる必然性を学ぶ地震と水害の理科教室の、それぞれの実践事例に対する検討を行った。
これらの結果から、災害の意味が協働的に構成される過程で、プラグマティックに見れば無意味とも言える普遍的な科学的知識に対する信頼を通して、災害と身の回りの環境に関する解釈が生成される理路を示した。