日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-CG 地球人間圏科学複合領域・一般

[H-CG24] 圏外環境における閉鎖生態系と生物システムおよびその応用

2023年5月21日(日) 13:45 〜 15:00 202 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:加藤 浩(三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター)、篠原 正典(帝京科学大学)、安部 智子(東京電機大学理工学部)、座長:加藤 浩(三重大学 研究基盤推進機構 先端科学研究支援センター)、篠原 正典(帝京科学大学)、安部 智子(東京電機大学理工学部)

14:39 〜 14:54

[HCG24-04] 大型社会性動物の飼育に学ぶヒトの長期居住への課題

*篠原 正典1 (1.帝京科学大学)

キーワード:社会性哺乳類、長期居住、閉鎖生態系生命維持システム

大型社会性哺乳類の飼育技術やその経験から、ヒトの永続的な長期居住への課題を検討・告する。私たちヒトは、自然界から切り離した人工環境下で、上手に生かし殖やし続けられている動物がいる。多くの家畜がそうであり、伴侶・愛玩動物では、イヌ、ネコ、ウマなどがそうである。彼らが哀れな生を送っていると思う人は少ないであろう(家畜や伴侶動物などの扱いに関して、数多くの危惧や批判があるのは承知しているが)。また、その数・量も、この地球上の野生哺乳類全体の実に 15 倍!になるほどである。尚、ヒトは野生哺乳類全体の約 10 倍である。家畜化に成功し育種改良されたイヌ・ネコのような食肉目でなく、野生の食肉目であっても、野生下で暮らすより飼育環境下において健康に⻑く生かすことに成功しているとの報告もある(Morgane 他 ,2016 )。しかし、よりヒトに近い動物、大型類人猿、また、ヒトと同じように⻑寿で閉経を持つシャチやゾウでは、実は長い飼育実績をもってしても未だ成功したとは言えない現状にあることを整理し昨年報告した。今年度も引き続き、さらに多角的にこの問題を整理して報告し、聴衆のみなさまと共に考えたい。