09:45 〜 10:00
[HDS07-04] 地震発生時の商用車運転についての防災教育プログラム開発
~株式会社アペックスとの産学協同研究~
キーワード:防災教育プログラム、防災マニュアル、インストラクショナル・デザイン、運転手の避難行動、失見当
2016年熊本地震で震度6弱以上の揺れに遭遇した時に走行中だったドライバーへの運転行動調査によると、地震発生時に適切な避難行動がとれた人はわずか9.3%であった。この要因として、地震発生時の避難手順の知識がないことと、「災害の衝撃から強いストレスを受けて、自分の身の回りで一体何が起こっているのかを客観的に判断することが難しくなり、視野が狭くなる状態」である失見当に陥っていることが考えられる。
紙コップ飲料自動販売機の運営管理を行っている株式会社アペックスでは、このような事態に対して、社員の命を守り、適切な対応行動で地域防災に貢献するため、防災心理を研究する大学の研究室と共同で、「運転者のための災害時の防災マニュアル」とそれを学ぶための「防災教育プログラム」を開発した。教育プログラム開発にあたっては、教育活動の効果・効率・ 魅力を高めるための理論であるID(インストラクショナル・デザイン)のADDIE(アディー)モデルを採用した。
社員への聞き取り調査等から、「商用車走行中に被災した際に焦らず適切な避難行動を学ぶ」教育プログラムの必要性が明らかになり、学習目標として「被災直後の道路の危険性を知る」、「失見当について知る」、「適切な避難手順を知る」、「避難に関する防災アイテムを使えるようにする」という4項目を設定した。防災マニュアルは、学習目標の内容を踏まえて作成した。車の中に常備しても劣化しにくいようにラミネート加工し、パンチを開けてカードリングでファイリングすることで閲覧しやすく、加除式で順番も入れ替えられる形式を採用した。
防災教育プログラムでは、動画を視聴する、劇形式のグループワークをする、実際に防災アイテムを使用するといった、単なる教科書を読む座学ではなく、受講生が災害時をイメージでき主体的に取り組める工夫をした。学習指導案、教材をつくり、社員を対象に実施をしたところ、8つの学習目標すべてについて統計的に有意な能力の向上が見られ、本プログラムの有効性を確認することができた。
紙コップ飲料自動販売機の運営管理を行っている株式会社アペックスでは、このような事態に対して、社員の命を守り、適切な対応行動で地域防災に貢献するため、防災心理を研究する大学の研究室と共同で、「運転者のための災害時の防災マニュアル」とそれを学ぶための「防災教育プログラム」を開発した。教育プログラム開発にあたっては、教育活動の効果・効率・ 魅力を高めるための理論であるID(インストラクショナル・デザイン)のADDIE(アディー)モデルを採用した。
社員への聞き取り調査等から、「商用車走行中に被災した際に焦らず適切な避難行動を学ぶ」教育プログラムの必要性が明らかになり、学習目標として「被災直後の道路の危険性を知る」、「失見当について知る」、「適切な避難手順を知る」、「避難に関する防災アイテムを使えるようにする」という4項目を設定した。防災マニュアルは、学習目標の内容を踏まえて作成した。車の中に常備しても劣化しにくいようにラミネート加工し、パンチを開けてカードリングでファイリングすることで閲覧しやすく、加除式で順番も入れ替えられる形式を採用した。
防災教育プログラムでは、動画を視聴する、劇形式のグループワークをする、実際に防災アイテムを使用するといった、単なる教科書を読む座学ではなく、受講生が災害時をイメージでき主体的に取り組める工夫をした。学習指導案、教材をつくり、社員を対象に実施をしたところ、8つの学習目標すべてについて統計的に有意な能力の向上が見られ、本プログラムの有効性を確認することができた。