日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS08] 人間環境と災害リスク

2023年5月23日(火) 13:45 〜 15:00 201B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:佐藤 浩(日本大学文理学部)、畑山 満則(京都大学防災研究所)、中埜 貴元(国土交通省国土地理院)、座長:中埜 貴元(国土交通省国土地理院)、佐藤 浩(日本大学文理学部)

14:15 〜 14:30

[HDS08-03] 1927年北丹後地震における地震時土砂崩れ面積率と地殻変動の関係

*遠藤 涼1 (1.国土交通省国土地理院)

キーワード:北丹後地震、地震時土砂崩れ、地殻変動、三角測量、水準測量

北丹後地震は、1927年3月7日に、丹後半島を震源とした地震で、郷村断層と山田断層がそれぞれ変位した。この地震では京都府内だけで計397.12haもの山地荒廃が発生した(京都府、1930)。石川ほか(1998)は、土砂崩れの要因について検討し、震央距離よりも地表断層からの距離との相関が高いこと、地質および起伏量との相関がほとんど認められないことを指摘している。一方で、これらの断層に伴う地殻変動が、参謀本部陸地測量部によって実施された一等~三等三角点及び水準点の測量の結果から明らかになっており(陸地測量部、1930)、これらと土砂崩れの関係を調査した。
土砂崩れについては、京都府(1930)によって、町村単位で林野部における震災荒廃面積、震災荒廃箇所等としてまとめられている。震災荒廃面積を当該町村の面積で除した値を土砂崩れ面積率とした。
地殻変動については、陸地測量部がまとめた水平・鉛直変動量と、水平変動量から計算した面積歪みや最大せん断歪みなどの地殻変動量を用いた。
解析の結果、土砂崩れ面積率と、面積歪み及び鉛直変位量との相関が確認された。

【参考文献】
京都府(1930)丹後震災荒廃林地復旧誌.
石川芳春・小野彩・水原邦夫(1998)北丹後地震による斜面崩壊面積率、砂防学会誌、51、4、27-32.
陸地測量部(1930)丹後地方地震値三等三角測量一等水準測量追加作業記事.