日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS10] 湿潤変動帯の地質災害とその前兆

2023年5月25日(木) 15:30 〜 17:00 展示場特設会場 (3) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)、内田 太郎(筑波大学)、西井 稜子(新潟大学)、座長:内田 太郎(筑波大学)、西井 稜子(新潟大学)、苅谷 愛彦(専修大学文学部環境地理学科)

16:15 〜 16:35

[HDS10-09] 天然ダム決壊に伴う洪水流出の予測

★招待講演

*高山 翔揮1 (1.静岡大学)

キーワード:天然ダム決壊、現地実験、室内水路実験、数値シミュレーション、予測

大雨や地震により山地河川沿いの斜面が大規模に崩壊すると、その崩壊した土砂が谷を埋め、天然ダムが形成されることがある。天然ダムが決壊すると、ダム上流に溜まった水は激しい濁流となって流れ出し、下流域で大規模な氾濫災害を生じさせる。世界中に形成された天然ダムのうち70%は1ヶ月以内に決壊していることから、天然ダム形成後は速やかに決壊に伴う洪水の氾濫想定エリアを発表し、迅速な住民避難行動に結びつけなければならない。
 まず本講演では、数多く提案されてきた天然ダム決壊洪水の予測法を分類して紹介する。そして、これまでに行ってきた実渓流での天然ダム決壊に関する実験を紹介し、その実験から得られた知見を基に、決壊洪水予測の発展の方向性について述べる。最後に、最近の取り組みである「不均一な土砂で構成される天然ダムの決壊洪水予測法の開発」について紹介する。