日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-GM 地形学

[H-GM02] 地形

2023年5月25日(木) 09:00 〜 10:15 展示場特設会場 (3) (幕張メッセ国際展示場)

コンビーナ:齋藤 仁(名古屋大学 大学院環境学研究科)、岩橋 純子(国土地理院)、Parkner Thomas(University of Tsukuba, Graduate School of Life and Environmental Sciences)、高波 紳太郎(明治大学)、座長:岩橋 純子(国土地理院)、高波 紳太郎(明治大学)、齋藤 仁(名古屋大学 大学院環境学研究科)


09:15 〜 09:30

[HGM02-02] 屋久島南海岸における河口および海岸段丘の巨大岩塊堆積物

*島津 弘1 (1.立正大学地球環境科学部地理学科)

キーワード:巨大岩塊、花崗岩、堆積物、河口、海岸段丘、屋久島

屋久島の河川の河床には丸みを帯びた直径3m以上の巨大な屋久島花崗岩の堆積物が見られる.これらは斜面上で生産され,谷底に集まったものである.最大粒径の下流方向への変化,花崗岩分布域より下流における岩塊の分布から,河川プロセスによって運搬された可能性がある.屋久島の南海岸にはこれらと同様の屋久島花崗岩の丸みを帯びた巨大岩塊が分布している.特に河口およびその周辺の浜に多く見られる.屋久島には海岸線に沿って海岸段丘が見られるが,そのうち南海岸にある一部の海岸段丘の堆積物中や面上にも谷底にあるものと同様の岩塊が見られる.これらの岩塊が堆積している場所は花崗岩分布域ではなくその周囲にある堆積岩類の分布域にあたること.花崗岩分布域と堆積岩分布域の境界から1~1.5km離れていることから,花崗岩の山地斜面の崩壊によって生産された岩塊が落下して堆積したものとは考えられない.MIS5eに対比されているもっとも発達のよい段丘面にもこれらの岩塊が見られることから,その当時の河川が運んできた巨大岩塊が河口や浅海底に堆積したものであることが示唆される.