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[HSC04-04] CCSを想定したCO2ハイドレートの生成挙動に及ぼす堆積物粒子径の影響
キーワード:CCS、CO2ハイドレート、自己遮蔽、砂粒子径、コア実験
気候変動対策として、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は有効な手段と考えられているが、日本では遮蔽層を持つ構造性の貯留層(帯水層貯留)だけで十分な貯留容量を確保できるかが不透明である。そこで、帯水層貯留を補完する新たな貯留方法として、海底下に圧入したCO2がハイドレートとなり遮蔽層の役割を果たす、ハイドレートCCSの可能性が検討されている。これまでのハイドレートCCSの研究では、貯留層を模した珪砂からなるコアにCO2を圧入し、ハイドレートの生成挙動を観察するものが多かった。これらの研究は1種類の珪砂のみを用いた理想的な条件であり、またコアの長さも5~15 cm程度と短く、1次元的な解析が行われているのみであった。そこで本研究では、粒径分布をより実海域の貯留層に近づけ、さらにコア長を75 cm まで長尺化することで、3次元的なハイドレート生成挙動と自己遮蔽の発現について実験的に解析を行った。
7.5 MPa、8.5 ℃の条件下で、液体CO2をコア下端から圧入し、コア内各地点の温度と圧力を計測した。模擬堆積物には、豊浦標準砂と東北珪砂8号の混合砂を使用し、豊浦標準砂のみを用いた実験と比較した。実験の結果、標準砂の場合は流体浸透の停止が確認できたのに対し、混合砂ではCO2がコア下流に到達し、流体浸透の停止が確認できなかった。また、混合砂では、コア断面においてハイドレートの生成位置が不均一であった。これらの結果は、粒径分布が広い混合砂ではCO2の流路径の分布も広く、CO2はより太い流路を選択するためハイドレートの生成位置が不均一になり、コア内部でハイドレートの生成していない部分から流体が浸透したためと考えられる。以上から、実海域の貯留層においてハイドレートCCSを実現するためには、CO2の繰り返し圧入を行い、ハイドレートの生成範囲を広げ、漏洩を防ぐ強固な遮蔽層を形成することが必要と考えられる。
7.5 MPa、8.5 ℃の条件下で、液体CO2をコア下端から圧入し、コア内各地点の温度と圧力を計測した。模擬堆積物には、豊浦標準砂と東北珪砂8号の混合砂を使用し、豊浦標準砂のみを用いた実験と比較した。実験の結果、標準砂の場合は流体浸透の停止が確認できたのに対し、混合砂ではCO2がコア下流に到達し、流体浸透の停止が確認できなかった。また、混合砂では、コア断面においてハイドレートの生成位置が不均一であった。これらの結果は、粒径分布が広い混合砂ではCO2の流路径の分布も広く、CO2はより太い流路を選択するためハイドレートの生成位置が不均一になり、コア内部でハイドレートの生成していない部分から流体が浸透したためと考えられる。以上から、実海域の貯留層においてハイドレートCCSを実現するためには、CO2の繰り返し圧入を行い、ハイドレートの生成範囲を広げ、漏洩を防ぐ強固な遮蔽層を形成することが必要と考えられる。