日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT16] 地理情報システムと地図・空間表現

2023年5月25日(木) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (12) (オンラインポスター)

コンビーナ:小荒井 衛(茨城大学理学部理学科地球環境科学コース)、田中 一成(大阪工業大学工学部都市デザイン工学科)、中村 和彦(東京大学)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/24 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[HTT16-P03] 1kmメッシュ別滞在人口データを用いたコロナ禍における都市人口の時空間分析

*黄 晨安1堤田 成政1 (1.埼玉大学)

キーワード:COVID-19、都市利用、Dynamic Time Warping

COVID-19が2019年末に中国の武漢で確認されて以降,世界中に感染が拡大している.日本も他国と同様に外出自粛政策などの取り組みにより人々の行動が抑制されてきた.現在,ワクチン接種者の増加につれてCOVID-19による都市活動への影響が薄れるように見えるが,在宅勤務やインターネットショッピングなどが定着化するなど,人々にソーシャルディスタンスを喚起させ人口集中を避ける都市利用が今後も進む可能性があると考えられる.そこで,本研究では一都三県(東京都,神奈川県,埼玉県,千葉県)を対象とし,コロナ禍にあたる2019年から2021年における滞在人口の時空間パターンを分析することを目的とする.国土交通省より公開されている月別の1 kmメッシュ別滞在人口の平日昼間データを,時系列パターンの類似度を算出するDynamic Time Warpingに適用し,クラスタリングした.Dynamic Time Warpingを用いたクラスタリングにより,一時的な変化を捉えるのではなく,時系列パターンの特徴を類似化することができる.得られた時系列パターンの特徴と地理空間の組み合わせから,コロナ禍前(2019年)では人々の平日昼間の滞在範囲が都心への集中的なものから,第一回緊急事態宣言時期(2020年3-5月)では居住地およびその近辺に限定され,5月以降も同様な傾向がみられた.このようなコロナ禍の滞在人口の時空間パターンを把握することは,感染症と共生するポストコロナ社会の都市利用の在り方を考える上で有意義であると考えられる.