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[MGI26-P12] BGCアルゴフロートの展開領域がEstimated Ocean State for Climate Research (ESTOC)を用いた状態推定に与える影響について
キーワード:BGC Argo、溶存酸素、データ同化
BGCアルゴフロートアレイは海洋環境観測の重要なツールとして認識されており、全球海洋を網羅するための展開と維持管理の取り組みが続けられている。地球規模の海洋環境変動をモニターするためには、このような観測網と連携して数値モデルを用いることが有効である。我々は、低次栄養段階生態系モデルと海洋大循環モデルを使って構築した4次元変分データ合成システムにより、BGCアルゴフロートを含む様々な観測データを統合し、海洋物理・生物地球化学的状態の推定を試みている。このデータ合成システムは、利用可能な海洋観測データを統合し、力学的に矛盾のない海洋状態を推定することができる。本研究では、BGCアルゴによって蓄積された溶存酸素観測データに着目し、このデータ合成システムを用いて海洋状態推定におけるBGCアルゴ観測データの有効性を検討した。全球海洋の5つの海盆(大西洋、太平洋、インド洋、南大洋、北極海)に対して、海面における酸素の大気交換係数と生物地球化学的活動による酸素消費速度について、最適なモデルパラメータをグリーン関数法により推定することでデータ合成を行った。得られた最適パラメータに基づく結果を、BGCアルゴ観測の有無で比較することにより、我々の海洋状態推定に与える観測の影響を評価した。この結果は、BGCアルゴが展開されている各海域のデータ合成への影響を評価したもので、BGCアルゴの全球海洋への展開の重要性を明らかにすることに寄与するものである。