日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS14] 結晶成⻑、溶解における界⾯・ナノ現象

2023年5月22日(月) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (7) (オンラインポスター)

コンビーナ:木村 勇気(北海道大学低温科学研究所)、三浦 均(名古屋市立大学大学院理学研究科)、佐藤 久夫(日本原燃株式会社埋設事業部)、塚本 勝男(東北大学)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[MIS14-P07] 成長ヒステリシスの理論に基づいた波動累帯構造の数値モデリング

*鳥居 浩貴1三浦 均1 (1.名古屋市立大学総合生命理学部)

キーワード:波動累帯構造、結晶成長ヒステリシス、数値計算、不純物

鉱物の断面を観察すると, ある成分に富む部分と乏しい部分が交互に累積していることがある。これを波動累帯構造という。波動累帯構造が生じる要因のひとつとして, 鉱物形成時における結晶成長速度の周期的変化が挙げられる。先行研究により, 結晶表面での不純物の吸着脱離と結晶成長との相互作用を考慮することで, 過飽和度を減少させたときと増加させたときとで異なる成長速度の値を取りうることが示された(成長ヒステリシス)。本研究では, 結晶成長に伴う周辺の濃度分布の時間変化を非定常拡散方程式を解くことで求め, 成長ヒステリシスの理論に基づいて結晶表面での過飽和度から成長速度を算出した。さらに, 溶液中の不純物割合と結晶への不純物分配係数から, 結晶への不純物の取り込み量を求めた。その結果, 不純物の拡散が溶質よりも遅いとき, 結晶成長速度が時間とともに周期的に振動することを示した。これに応じて, 結晶中の不純物濃度分布が周期的に変化すること(波動累帯構造)を再現した。今後は, このモデルと実際の波動累帯構造との関連について検討を進める予定である。