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[MIS23-05] 2022年1月15日のフンガトンガ・フンガハアパイ火山噴火で励起された気圧波動伝搬の全球数値シミュレーション
キーワード:ラム波、ペケリス波、全球非静力学モデル
2022年1月15日13UTCごろ.トンガのフンガトンガ・フンガハアパイ火山が噴火し、日本付近でも2hPa程度の海面気圧変動が観測されるとともに、気象津波による潮位の変動が観測された。気象津波の予測やメカニズムの理解には、噴火で生じえた気圧変動の時空間的な伝搬を把握することが必要である。本研究では3.5km格子の全球非静力学モデルNICAMを用い、圧力変動の再現を試みる。
1月15日 00UTCのMERRA2を用いて14km格子NICAMモデルを04UTCまで積分した。この出力に噴煙柱を模したWarm bubbleをおいて初期値化した実験と、それを置かない実験とを3.5km格子NICAMを用いてそれぞれ実施し、その差分を噴火シグナルとして解析する。火山付近の0.14度緯度経度格子4点の地表から500hPaまで気温偏差100K、比湿偏差50g/kgのサーマルをおいた。
海面気圧の噴火シグナルとして、約305m/sで水平伝搬するLamb波と、それと比べて遅い240m/sで伝搬するPekeris波とが比較的大きな振幅で確認された。
Lamb波にともなう気圧変動に少し遅れて潮位変動が観測されていることから、Lamb波に着目して解析を行う。Lamb波は分散性がないため、位相速度場が解析できればエネルギー伝搬についても議論できる。ここでは、各時刻において火山から280m/sと330m/sとで伝搬する波の到達時刻の間にLamb波が到達すると仮定し、その時間に海面気圧の最大値を取った時刻をLamb波の到達時刻とした。到達時刻の空間分布から各格子点における位相速度ベクトルを解析した。Lamb波の位相速度は一定ではなく、たとえば日本付近では300m/sを下回っている。Lamb波の振幅は伝搬距離により一定に減衰するのではなく、局所的に大きな場所が存在しており、Lamb波の位相速度(したがって群速度)が収束している場所とよく対応していた。本発表では静止気象衛星「ひまわり」を用いて解析されたLamb波の位相速度分布とも比較を行う予定である。
1月15日 00UTCのMERRA2を用いて14km格子NICAMモデルを04UTCまで積分した。この出力に噴煙柱を模したWarm bubbleをおいて初期値化した実験と、それを置かない実験とを3.5km格子NICAMを用いてそれぞれ実施し、その差分を噴火シグナルとして解析する。火山付近の0.14度緯度経度格子4点の地表から500hPaまで気温偏差100K、比湿偏差50g/kgのサーマルをおいた。
海面気圧の噴火シグナルとして、約305m/sで水平伝搬するLamb波と、それと比べて遅い240m/sで伝搬するPekeris波とが比較的大きな振幅で確認された。
Lamb波にともなう気圧変動に少し遅れて潮位変動が観測されていることから、Lamb波に着目して解析を行う。Lamb波は分散性がないため、位相速度場が解析できればエネルギー伝搬についても議論できる。ここでは、各時刻において火山から280m/sと330m/sとで伝搬する波の到達時刻の間にLamb波が到達すると仮定し、その時間に海面気圧の最大値を取った時刻をLamb波の到達時刻とした。到達時刻の空間分布から各格子点における位相速度ベクトルを解析した。Lamb波の位相速度は一定ではなく、たとえば日本付近では300m/sを下回っている。Lamb波の振幅は伝搬距離により一定に減衰するのではなく、局所的に大きな場所が存在しており、Lamb波の位相速度(したがって群速度)が収束している場所とよく対応していた。本発表では静止気象衛星「ひまわり」を用いて解析されたLamb波の位相速度分布とも比較を行う予定である。