日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] オンラインポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-TT 計測技術・研究手法

[M-TT38] 地球化学の最前線

2023年5月26日(金) 10:45 〜 12:15 オンラインポスターZoom会場 (24) (オンラインポスター)

コンビーナ:鍵 裕之(東京大学大学院理学系研究科附属地殻化学実験施設)、橘 省吾(東京大学大学院理学系研究科宇宙惑星科学機構)、横山 祐典(東京大学 大気海洋研究所 )

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/26 17:15-18:45)

10:45 〜 12:15

[MTT38-P03] 耳石の段階溶解法を用いた魚類の生態履歴解析

*宮入 陽介1横山 祐典1安東 梢1青沼 惠人1、永田 俊1 (1.東京大学 大気海洋研究所)

キーワード:放射性炭素、加速器質量分析、耳石

魚の耳石の同位体や微量元素は、さまざまな魚の生息環境を理解するために広く利用されている。耳石は魚類の生涯に渡る生活史を追跡することができ、従来のタグ付け法では復元が困難な情報を補完することができる可能性を有している。放射性炭素測定技術の進歩により、耳石の放射性炭素分析が従来に比して容易にできるようになってきたため、海中の放射性炭素の変動と比較参照することで回遊履歴を知ることができる可能性がある。耳石の放射性炭素分析の大きな欠点は、各サンプルを加速器質量分析装置で測定するまでに、ミリングによるサブサンプリングに時間と手間ががかかることである。本研究では、耳石を段階的に酸分解していくことで、耳石の成長に対応したサンプリングが容易に行えるシステムを開発した。この段階的酸分解法に使用するガラス装置を設計した。この技術は、ヒウチダイ、スケトウダラ、マダラの耳石などに適用されてきている。このように、新しく設計されたガラス装置を用いた段階的溶解法は、耳石を用いた魚類の生態学的研究に広く使うことができる可能性がある。