日本地球惑星科学連合2023年大会

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現地ポスター発表

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[O-06] 高校生ポスター発表

2023年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 現地ポスター会場 (幕張メッセ展示ホール8)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 13:45-15:15)

13:45 〜 15:15

[O06-P37] 海洋開発における水中ロボットの可能性

*佐藤 靖悟1 (1. 神奈川県立平塚江南高等学校)

キーワード:水中ロボット、マニピュレーター、海洋資源開発、3Dキャド、3Dプリンター


研究背景
海洋、航空宇宙など様々な分野で開発活動が進められている現代。しかし、海洋開発においてはまだ海の全体の10%ほどしか研究されていないといわれている。本研究では、難航する海洋開発を加速させるために不可欠である水中ロボット開発に着目し、先行研究として挙げることのできる、東京大学生産技術研究所のMONACA、海洋研究開発機構のしんかい6500から得られる知見や実際にロボットを用いた実験を行うことでより作業効率の高いロボットを製造するために必要なことを明らかにする。

課題
先行研究である2機にロボットに共通している特徴として、多くのセンサーやソナー、カメラを搭載し、数値データを用いた研究活動に適した構造をしている。一方で、海中における多岐にわたる物理的な活動には対応していない。しんかい6500においてはサンプルバスケット、マニピュレーターを備えるが、機体の大きさに対して小型である。ここから海洋資源開発を加速するためにはより物理作業に適した構造の開発も行うべきであると考える。

実験方法
①3DCADソフトであるtinkerCADと3Dプリンターを用いてマニピュレーターを大小2サイズ、各2本ずつ制作。大は小の1.5倍のスケールで制作。
②大小それぞれのマニピュレーターを水中ロボットに搭載する際、三種類の搭載方法(A,B,C)(画像参照)を試し、それぞれの搭載方法における水中ロボットのバランスの変化を比較する。

実験結果
小verでは、A,B,Cのすべてでバランスの変化や崩れは見られなかった。
大verでは、A,Bでは変化が見られなかったものの、Cにおいて機体が大きく前傾し操縦不能となった。(画像参照)

考察
実験結果より、大きなマニピュレーターより小さなマニピュレーターのほうが水中ロボットのバランスに与える影響が少ないため、より実用的であることがわかった。しかし大きなマニピュレーターにもリーチが長いなどのメリットがあることもわかった。このことから、大きなマニピュレーターによる作業の効率化を図るためには、マニピュレーターによるバランスの変動に対応する必要がある。その方法の一つとして、マニピュレーターの動きに合わせて重心が保たれる位置に、可動式のバラストを逐一移動させる「モバイルバラスト」を提案する。

引用文献
JAMSTIC (n.d.) Retrieved January 20, 2022, from https://www.jamstec.go.jp/j/

Team KUROSHIO (n.d.) Retrieved January 20, 2022, from https://www.jamstec.go.jp/team-kuroshio/

The Editorial Department of AXIS Web Magazine. The University of Tokyo Research Team Develops New Autonomous Underwater Robot MONACA to Explore Antarctic Sea Ice and Ice Shelf Areas. Retrieved from https://www.axismag.jp/posts/2021/03/357427.html