日本地球惑星科学連合2023年大会

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現地ポスター発表

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[O-06] 高校生ポスター発表

2023年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 現地ポスター会場 (幕張メッセ展示ホール8)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、道林 克禎(名古屋大学 大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 地質・地球生物学講座 岩石鉱物学研究室)、久利 美和(気象庁)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)

現地ポスター発表開催日時 (2023/5/21 13:45-15:15)

13:45 〜 15:15

[O06-P88] 深層海流解明に向けたモデルの再検討

*萬谷 龍1、*米田 陽1、井川 一美1 (1. 神奈川県逗子開成高等学校)

キーワード:海洋


深層海流とは、大西洋北部からインド洋を経て太平洋に至るまで、二千年をかけて流れる海流である。深層海流は、その規模と循環周期の長さから、世界的、長期的に地球環境に影響されるものと考えられる。

また、深層海流は地球の熱輸送を担っているとされており、 近年地球温暖化が問題視されているが、深層海流について解明することにより、新たな視点から地球環境の維持に役立つものと考えられる。当研究では、深層海流の未解明部分「湧昇」について研究する上で、水槽内での水流を可視化・分析し、湧昇の仕組みの解明を最終目的とする。

東京大学名誉教授・東京海洋大学客員教授の日比谷紀之氏より、深層循環に月が生み出す潮汐流が影響を及ぼしているという報告がある。その潮汐流が海山に当たることによって水中で乱流が発生し、表層の熱が深層に伝えられ、深層水が浮力を得て湧昇するという仕組みである。この仮説が正しいか確かめるため潮汐流によって海中で発生する乱流に着目し、海山や海をプラスチック板や水槽などを利用してモデル化して、温度変化を解析したり、流れを可視化したりなどの実験をして海山を駆動することにより、上下層間での温度差が小さくなることを確かめたり、水槽中にビタミンBを放って乱流の発生を目視で確認したりして、鉛直上向きの熱輸送をする乱流の存在を確かめることを目的として本校ではこれまで深層海流について精力的に研究を続けてきた。

私たちは今年一月に先輩方から研究を引き継いだ。本研究では、その記念すべき第一回目の実験の改善点、これまでの本校の研究成果先輩たちの考察から研究の趣旨である「湧昇」の仕組みの解明に近づくために、そもそも「海の層構造」が水槽内で再現できているのかを確認し、その上で実験方法の見直しおよび今後の研究方針を決めることを目的とする。 

第一回の実験では海山を入れず実験を実際にやってみてどのような動きをするのか観察した。第一回の実験の際、過去の先輩の記録を頼りに氷で冷やすことにより深層海流の沈み込みを再現、水の塊をビタミンB2の蛍光作用で可視化し 温度計を駆使して温度の変化を観測しようとした。しかし初めての深層海流の実験だったこともあり温度計が傾き、氷で冷やした水よりの位置に設置してしまったり、その温度計の結果もいくつかの地点に分けて測ったのだが、どの温度計も温度が下がってしまいおおむねどの温度計も同じような温度の変化の仕方になってしまい大きな違いが分からなかった。このことから第一回実験では深層海流の沈み込みは再現出来たものの海の層構造までは再現できていないのではないか、若しくは温度計の設置位置が悪くちゃんとした結果が測定できなかったため海の層構造が発見できなかったのと考察する。そこで今回は前回の反省を踏まえテープで温度計を固定し温度を測ろうと考えている。また設置箇所は上下5cm地点と中央の列に等間隔に3つずつ設置することを考えている。