[P-PS06] 月の科学と探査

[PPS06-P02] 月地震観測ネットワークの構築にむけた光干渉式地震計の設計と評価

*新谷 昌人¹、小野寺 圭祐¹、川村 太一²、辻 健³、田中 智⁴ (1.東京大学地震研究所、2.パリ地球物理研究所、3.東京大学大学院工学系研究科、4.宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)

キーワード：月地震観測ネットワーク、レーザー、干渉計、地震計

近年、月をターゲットとした国際宇宙探査の検討が進められており、月面上に地震観測ネットワークを構築することもその一つである。1970年代にアポロ計画で月面上に地震観測ネットワークが展開され、月の地震活動や内部構造の一端が明らかにされた。現代の技術を駆使して、月の全球に分布した多点の地震計で観測網を構築できれば、月内部の3次元構造や内部活動の詳細が観測され、月の起源や進化に迫ることができる。また、地下浅部の詳細な探査により、将来の月面上での人為活動や構造物建設に向けた地盤に関する基礎データが得られる。

本研究は月表面に地震観測網を展開するための地震計の開発を目的としている。光干渉計測は高い変位検出性能と優れた環境耐性があり、月面上に展開する地震計の変位検出部として適した特性を持つ。月面上では越夜を含め、幅広い温度範囲で長期間観測が可能な高性能の地震計を複数展開する必要がある。光源を光ファイバーで分岐し配信できる光計測方式は多点化が容易な部分がある。本講演では、月地震観測ネットワークにむけた光干渉式地震計の設計や性能評価について紹介する。