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[SCG63-P01] 「かいめい」による三陸沖北部での反射法地震探査
キーワード:日本海溝、三陸沖、反射法地震探査
JAMSTECは、1990年代後半から深海調査研究船「かいれい」や海洋調査船「かいよう」などを用いて地殻構造探査を実施してきたが、両船共に廃船となり、2010年代後半からは主に海底広域研究船「かいめい」を用いた探査に移行している。一方、北海道南東沖から茨城県沖にかけては、東北地方太平洋沖地震の震源域付近を除くと、20年以上前に「かいれい」や「かいよう」がデータ取得した領域が多く、測線密度にも地域差がある。そこで、2017年から「かいめい」による新たなデータ取得を進めている。JAMSTECの地震探査システムは、20年前のデータ取得仕様と比較すると、ストリーマ-ケーブル長が1.5倍以上長くなり、チャンネル間隔も半分以下となり、震源システムも改善かつ安定した運用による探査が可能となり、より品質の高いデータ取得が可能となった。2022年は、「かいめい」による北海道南東沖から岩手県沖にかけての反射法地震探査測線を計画し、5月~6月に航海(Cruise ID: KM22-07)を実施したが、天候に恵まれず、1測線(Line ID: KJ2204)のみのデータ取得となった。この測線は、北緯40度付近の日本海溝を東北東-西南西方向で横切り、海溝から約75 km東側まで領域を含む測線長176 kmとなった。この測線周辺では、1994年三陸はるか沖地震(MJ7.6)などM7クラスのプレート境界型の大地震が発生し、2010年代後半から日本海溝・千島列島周辺に日本海溝沿い地震津波海底観測網(S-net)が展開され(NIED, 2019)、海域での定常的な地震観測の精度向上し、低周波微動活動の研究(Nishikawa et al., 2019;Tanaka et al., 2019)など新たな知見が得られている。本発表では、測線KJ2204におけるデータ取得と暫定的なデータ解析結果について報告する。