[S-GD01] 測地学・GGOS

[SGD01-09] マルチGNSSに対応したRINEX前処理ソフトウェアRINGOの公開について

*川元 智司¹、髙松 直史¹、阿部 聡¹ (1.国土交通省国土地理院)

キーワード：GNSS、RINEX、前処理ソフトウェア

マルチGNSSデータに対応したRINEXデータ前処理ソフトウェア「RINGO」を開発し、公表した。編集、品質チェック、クロックジャンプ補正、電離層高次電補正、BINEXファイル及びRTCMファイルの変換、RINEXファイルの対話型ビューアなど様々な機能を備えている。
近年のGNSS衛星の増加により、GNSSデータはより複雑になりつつあるが、その前処理に利用できるソフトウェアは非常に限られている状況である。RINGOは、GPS、QZSS、GLONASS、Galileo等のマルチGNSSデータに対応し、データ形式としても複数のRINEXバージョン（RINEX 2.xx, 3.xx, 4.00）を扱うことができるコマンドラインツールである。これを用いることで、GNSS連続観測局で観測したマルチGNSSデータを容易に管理することが可能となる。
本発表では、RINGOの各機能の概要を紹介する。特に品質チェック機能の結果については、他の既存のソフトウェアパッケージで推定した結果と比較し、その結果、TEQCソフトウェアによる結果とよく一致した。RINGOを用いることで、ユーザーは複数のツールを組み合わせることなく、容易にマルチGNSSデータの前処理を行うことができる。またRINGOにより、最新のRINEXフォーマットの普及にも貢献することが期待できる。
RINGOは、国土地理院のホームページで公開されている。本ソフトウェアに関する意見、感想、不具合報告等も歓迎する。