15:30 〜 17:00
[SGD01-P04] 量子型絶対重力計AQGとFG5の絶対重力測定の比較
キーワード:AQG、FG5、重力、南極
国土地理院は、フランスiXblue社製の量子型絶対重力計Absolute Quantum Gravimeter(以下、「AQG」という。)を2020年に導入した。
AQGは原子干渉法を利用した絶対重力計であり、アメリカMicro g LaCoste社製の絶対重力計FG5(以下、「FG5」という。)と同様、落体を自由落下させることで重力加速度を測定する。AQGの主な特徴は落体に2 µK以下まで冷却したルビジウム原子を使用していることである。そのため、AQGは、FG5と異なり機械的構造をほとんど持たず、長期間の連続測定を得意としており、またメーカによる定期的なメンテナンスは不要とされている。さらに、AQGは測定前の調整をソフトウェアでほぼ自動で行うため、機器の操作という観点では測定者の熟練を必要としない。
現在、国土地理院ではAQGの運用法の確立に向け、安定性や再現性等の検証を行っており、主に石岡測地観測局におけるFG5との並行観測をはじめとした試験観測を繰り返し実施している。その並行観測の結果から、2機種には数 µGalの系統差が存在すると考えられる。そこで2022年12月には石岡測地観測局に比べて重力値が約400 mGal小さい山梨県富士山科学研究所にてAQGとFG5の並行観測を行い、重力変化に伴う2機種間の系統差の変化について検証した。その結果、山梨県富士山科学研究所での2機種間の系統差は石岡測地観測局の値と概ね整合的であった。
また、第63次南極地域観測隊では石岡測地観測局に比べて重力値が約2,500 mGal大きい南極昭和基地にてAQGとFG5の比較観測も行った。
本発表では、上記の石岡測地観測局及び山梨県富士山科学研究所でのAQGとFG5との並行観測の結果とともに、第63次南極地域観測隊における昭和基地でのAQG及びFG5での絶対重力測定の結果についても報告する。
謝辞
山梨県富士山科学研究所での測定にあたっては、同研究所の本多主任研究員に協力をいただきました。
AQGは原子干渉法を利用した絶対重力計であり、アメリカMicro g LaCoste社製の絶対重力計FG5(以下、「FG5」という。)と同様、落体を自由落下させることで重力加速度を測定する。AQGの主な特徴は落体に2 µK以下まで冷却したルビジウム原子を使用していることである。そのため、AQGは、FG5と異なり機械的構造をほとんど持たず、長期間の連続測定を得意としており、またメーカによる定期的なメンテナンスは不要とされている。さらに、AQGは測定前の調整をソフトウェアでほぼ自動で行うため、機器の操作という観点では測定者の熟練を必要としない。
現在、国土地理院ではAQGの運用法の確立に向け、安定性や再現性等の検証を行っており、主に石岡測地観測局におけるFG5との並行観測をはじめとした試験観測を繰り返し実施している。その並行観測の結果から、2機種には数 µGalの系統差が存在すると考えられる。そこで2022年12月には石岡測地観測局に比べて重力値が約400 mGal小さい山梨県富士山科学研究所にてAQGとFG5の並行観測を行い、重力変化に伴う2機種間の系統差の変化について検証した。その結果、山梨県富士山科学研究所での2機種間の系統差は石岡測地観測局の値と概ね整合的であった。
また、第63次南極地域観測隊では石岡測地観測局に比べて重力値が約2,500 mGal大きい南極昭和基地にてAQGとFG5の比較観測も行った。
本発表では、上記の石岡測地観測局及び山梨県富士山科学研究所でのAQGとFG5との並行観測の結果とともに、第63次南極地域観測隊における昭和基地でのAQG及びFG5での絶対重力測定の結果についても報告する。
謝辞
山梨県富士山科学研究所での測定にあたっては、同研究所の本多主任研究員に協力をいただきました。