日本地球惑星科学連合2023年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD02] 地殻変動

2023年5月23日(火) 09:00 〜 10:15 304 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:加納 将行(東北大学理学研究科)、落 唯史(国立研究開発法人産業技術総合研究所 地質調査総合センター 活断層・火山研究部門)、富田 史章(東北大学災害科学国際研究所)、座長:大園 真子(北海道大学大学院理学研究院附属地震火山研究観測センター)、山崎 雅(産業技術総合研究所)

09:45 〜 10:00

[SGD02-04] GRACEとGNSSでみる陸水荷重と海洋荷重の季節変化の干渉:カーペンタリア湾と日本海

*日置 幸介1,2、鄭 碩3,4 (1.北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門、2.中国科学院上海天文台、3.中国科学院大学、4.中国科学院測地学地球物理学研究所)

キーワード:衛星重力計測、全球航法衛星システム、季節性地殻変動、オーストラリア、日本海

熱帯の海岸地域は、雨季に増加する陸水荷重によって陸向きに動き、逆に乾季には海向きに動く。それらの季節的な動きはGNSS連続観測によって明らかにされ、重力衛星GRACE(-FO)による陸水荷重の季節変化と良い相関を示す。また陸水荷重の増加に伴ってGNSS局は沈降を示す。本研究ではいくつかの例外的な挙動を示す地域について、GNSSとGRACEのデータを用いてその詳細を紹介する。オーストラリア北部にあるカーペンタリア湾周辺は熱帯雨林に属するが、湾にそって位置する多くのGNSS局は、雨季に海向きに動くことが知られている。これは陸水荷重の変化を上回る海水荷重の季節変化があることを示唆するが、その沈降のピークと海向きの動きのピークの位相は有意なずれを示す。我々はこれを、海水荷重と陸水荷重の季節変化の干渉としてGRACEや験潮、海面高度計などのデータと併せて解釈する。さらに、海と陸の双方の質量が有意な季節変化を行う例として日本海東縁を取り上げ、そこで発生する地震が5-7月に集中する原因を探る。